ぼんじょるの!
今回はシチリア島のシラクサにある考古学公園でギリシア劇場とローマ劇場を見比べて来ました!
本当は海につき出した旧市街地の方がボク的にはメインなんですけど、朝から天気があんまり良くなかったので、メインは明日に賭けて、今日は考古学公園を歩きました。
ギリシア劇場とローマ劇場
よくローマ帝国が残した遺跡で「ローマ劇場」ってヨーロッパや地中海周辺にありますよね。ボクが最近見た物だとポンペイにもありましたし、ローマのコロッセオもローマ劇場ですね。
しかし、ローマ帝国よりも先にああいった劇場を造っていたのは古代ギリシアでした。ローマ帝国は最初のうちは占領したギリシア劇場を流用したり、真似して造ったりしながら、徐々に独自の劇場の形を編み出していきました。そのため、ローマ劇場とギリシア劇場はいくつか違う特徴が見られます。
◆ギリシア劇場の特徴
- 半円形、もしくは3/4円形で、舞台の背後が塞がれていない
- 自然の岩山を削り出して建造
- 郊外にある事が多い
◆ローマ劇場の特徴
- 円形、もしくは楕円形。初期の頃は半円形の物もあるが舞台の背後は塞がれている
- 平地に石のブロックを積んで建設
- 町中にある事が多い
形の違いの理由としては、ギリシア劇場では演劇や宗教的儀式などに利用されていた為、舞台を壁で取り囲む必要が無かったが、ローマ劇場ではしばしば決闘などが行われた為、逃げ道があるとマズかったから。
建築方法の違いの理由はよく分かりませんね。古代ギリシアも造ろうと思えば平地に造れたんじゃないかと言う気がしますが、それをしなかったのは「劇場は削り出して造るもの」と言う思い込みがあったのか、それとも削り出しの方が楽だったのか。あんまり楽そうでもないですが。
立地の違いは、建築方法の違いから来ているのかなと思います。ギリシアは適した岩山を見つけないといけなかったので場所の選択肢が少なかった。対してローマ帝国は好きな場所に劇場を造れるので、人民が利用しやすい町中に建設可能だった。
冒頭からいきなり解説が長くなりましたが、ここシラクサにはそんなギリシア劇場とローマ劇場が両方ある!しかもどちらも考古学公園の敷地内です。と言う事で違いを確認しに行ってみました。
昨夜は12時間寝ました。よく寝た。
宿泊には朝食が付いていたのですが、未だかつてないくらい偏った朝食でした。
チョコデニッシュは温められていて表面がサクッと香ばしく焼きあがっているんですけど、まともな食べ物がこのデニッシュだけっていう。食パンはなんか残り物みたいで5枚しか無くてパサパサ。ここに写ってる以外の食べ物はあとイチゴジャムとコーンフレーク(1種類)くらいなもんです。チョコデニッシュにそこまで注力しなくて良いから、もう少し種類を充実させてほしいです。
さて考古学公園(Archaelogical Park)におでかけ。宿から歩いて15分くらいです確か。
シラクサはもっとこぢんまりした町かと思っていましたが、意外と大きい建物が並びます。
シラクサは紀元前8世紀から古代ギリシアの植民地として開発され、古代ギリシアの植民地の中で最も繁栄した都市と言われています。そう言う都市って得てしてただの漁村とかになってたりしますけど、シラクサはある程度の規模を保ってるみたいですね。
考古学公園の駐車場に到着・・・・
もう引き返そうかな(ヽ´ω`)
しかも小学生ばっかりですよ。ていうかね、小学生の団体なんてものっすごいローカルで観光客が誰も知らないような遺跡とかに行けば良いと思うんですよ。その方が地域への貢献度が高いし、ジャマにもならないし。ただでさえ人が多い有名どころに来るなよもう。
チケット売り場も列が出来ていますけど、先程の駐車場の状況を考えると常識的な範囲です。
おそらく駐車場にいた客の大半が団体客なんじゃないですかね。
チケットは、遺跡+博物館のコンボ券で13.5ユーロ(≒1,660円)。
敷地内に入ります。
園内にはクッソ不親切な案内図があります。
この図、至る所にあるんですけど現在地も方角も書かれていないんですよ。自分の足で散々歩き回った後で見るとなんとなく理解できますけど、初見だとまるっきり意味不明でした。
この考古学公園にあるものをものすごくざっくり説明すると、一番の見どころであるローマ劇場とギリシア劇場、更に劇場を造る際に使った採石場跡があるみたいです。
シラクサは前述の通り、紀元前8世紀から古代ギリシアの都市が築かれていましたが、紀元前3世紀にローマ帝国に攻め込まれて陥落。その後はローマ帝国の支配下に置かれました。なので2つの劇場が残ったようです。
余談ですけど、かの有名なアルキメデス(入浴中に”アルキメデスの原理”を思いついて全裸で走り出したと言われている人)はシラクサの人で、このギリシアとローマのシラクサ攻防戦(第二次ポエニ戦争)ではいろんな兵器を考案してギリシアに貢献したと言われています。
アルキメデスの名はローマにも轟いており、ローマの偉い人は「アルキメデスは殺すな」と命じていたようですが、シチリア陥落時、アルキメデスを知らない下っ端の兵士に呆気なく殺されてしまいました。
アルキメデスは殺される直前まで目の前の図形について何かを考えている最中だったようで、最後の言葉が「その図形を壊すな!」だったと言われています。風呂のエピソードもそうですけど、まぁかなりの変人ですよね。良い意味で。
話がそれましたけど、考古学公園の散策です。不親切な地図のせいで何がどこにあるかさっぱり分かりませんが、とりあえずそれっぽい所に向かって・・・
もう引き返そうかな(2回目)。
冗談です。もう入場料払ってるので引き返しはしません。たまたま団体が入場口に殺到してるタイミングみたいだったので、わいわい騒いでいる行列の横で根暗にスマホをいじりながら、行列が解消されるのを待ちます。今ここに並んでも、入場後も団体に揉まれて良い事ありませんから。
15分ほど待って、団体が見当たらなくなってから入場。
やっぱりどこに何があるかイマイチ分からないので、適当に通路を歩きます。
よく分からない塔。天然の物かな?
生い茂る木に阻まれててっぺんしか見えません。ちょっと生い茂り過ぎじゃないですか?
まず見つけたのはコルダリ洞窟(Grotta dei Cordari)と、
ディオニュシオスの耳(Orecchio di Dionisio)。
いずれの洞窟も、この近くのギリシア劇場とローマ劇場を造った際に利用された石切り場だそうです。
ディオニュシオスは紀元前5世紀~4世紀にシラクサを収めていた人で、この石切り場で働かせていた囚人の話を盗み聞きしていたと言う話から“ディオニュシオスの耳”と名付けられたそうです。
ディオニュシオスの耳の方は、中に入る事ができ・・・
写真で伝わるわけもないんですが、洞窟から小学生の大声と金切り声、手を叩いたり足を踏み鳴らす音が、洞窟の外までわんわん響いています。あんなところに入ったら騒音で頭痛がしそう。
なるほど、あんなに音が響く洞窟なら、囚人の話し声を盗み聞きするのも容易だったでしょうね。よーーーーーくわかりました。
小学生の団体が出て行くのを待ってから、ディオニュシオスの耳へ。
縦に細長く、ゆるく渦を巻くような変わった形状の洞窟です。
この人工的な形の横穴が採石場っぽいですね。説明書きがあるわけじゃないので適当な事言ってますけど。
洞窟自体はさほど深くなく、行って戻って終わりです。天井が高いせいか風通しが良いので、夏なんか涼しそうだな。
さて次はギリシア劇場・・・・・
え?ナニコレ?めっちゃ板張りになっています。
Wikipediaのシラクサの古代建築物欄にある写真に、普段のギリシア劇場の写真が載っていますが、こんな板張りじゃありません。
舞台では何やらよく分からん材料を立ててる真っ最中です。
ここで何かイベントでもやるんでしょうか。元の石段だと風化して座りにくいので、座席を確保するために一時的に板を張ってるみたいな。一番目玉ともいえる史跡を利用するとか、観光客からすると迷惑以外の何物でもないのでやめて頂きたい・・・。
板張りでよく分かりませんけど、まぁ確かに半円形で、岩山の斜面にある雰囲気はしますね(投げやり)。あと舞台の後ろもなんとなくスカスカですね(投げやり)。
なんだか白けた顔した観光客がちらほら、所在無さげに劇場の上部にある広場をうろうろしています。
どこからか水の音がすると思ったら、岩の奥に人口の滝?みたいなものがありました。
なんだか風流だとは思うけど、劇場の真後ろにあっても邪魔なような。
あと、ここからは一望と言うほどではないですがシラクサの町と海が見渡せます。まぁ元が岩山ですからね。
少し上部をうろうろしましたが、通行止めが多くてどこにも行けませんでした。
次は2つ目のメイン、ローマ劇場です。
おぉ、こっちは中には入れませんけど、そのぶん手つかず感があってなかなか好きですよ。
全体の形状は楕円形で、座席部分は崩れてよく分からないものの、カベなんかは石を積み上げて造られている事が分かりますね。
上の写真にはアーチが写ってますけど、建築物にアーチを多用するのもローマ帝国の建築の特徴みたいです。ギリシアでもアーチは知られていたらしいのですが、そんなに積極的に使ってはいなかったそうです。
最近、「遺跡と花」の組み合わせがなんだか良いなと思ってたり。
数千年も残る風化した建造物と、毎年枯れては咲く花の対比にロマンを感じませんか!?(強引)
ローマ劇場は入れないので、上部を半周して同じ道をまた戻るだけで終了。あんまり散策できる感じの遺跡ではないです。
通路脇に並んでいるのは、どこからどう見ても石棺なんですが、観光客が座ったり、中に入って自撮りしたりしています。まぁどこにもダメとは書いてないので良いんでしょうけど。良いのか?
遺跡と関係無いですけど、サレルノの宿のオーナーが花粉症だったので気にかけていたら、まぁ至る所にクシャミしたり鼻をかんだりしているイタリア人がいます。イタリアも花粉症の人が多いみたいです。何花粉なのか分かりませんが、同じ花粉症の日本人を連れて来ても反応するんでしょうかね。逆に春先の日本に来るイタリア人はどうなんだろう。
と言う事で、ギリシア劇場がアレだったのでちょっと不完全燃焼感はありますけど、今日の観光は終わり。明日はもう少しやる気出そう。
帰る途中で良い感じの食堂があったので入ってみました。
パスタ+ホウレン草で5ユーロ(≒615円)。
わーいパスタがてんこ盛り。そうそうこう言うのを期待してたんですよイタリアさん。ローカルで安くてどかっと出て来るみたいな料理を(人・ω・)
ホウレン草は塩味じゃなくて、鶏スープみたいなので味付けしてある感じ。やや茹で過ぎ感はあるけど。
パスタの具はミックスベジタブルとジャガイモだけと言う、学生の自炊みたいな具ですけど、麺がちゃんとアルデンテで、もちもち弾力があるのがにくい。日常的に食べられてそうな味。
さて、明日はメインのシラクサの町観光。晴れると良いなー。では今回はこれにて(=’ω’)ノ
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