スラマッマラム!
今回はブンブン・クンバンを目指して歩いた!の巻です!
ブンブン・クンバンとは!
ブンブン・クンバンは、マレーシアのタマンヌガラ(Taman Negara)にある動物観察小屋です。
もともとは動物観察小屋なんですが、観光客の宿泊も受け入れられており、空いてさえいれば個人で泊まる事ができます。日本では「水曜どうでしょう」と言う番組で取り上げられた事で知られています。
今日は大半が文章で、しかも長いです!退屈したら遠慮なくやめてもらってOKですw
朝8時に宿をチェックアウト。早めに寝たはいいものの、夜中目が覚めて寝つけず、結局ちょっと寝坊しました。さて出発。足元は完全装備。長ズボンを厚手の靴下にIN!タマンヌガラ公園事務所は、昨日と違うおっさんが2人いました。若めのおっさんと、初老に近い年配のおっさん。不要な荷物を預かってもらえるか訊いてみると、オールドおっさんの方に断られました。ヤングおっさんの方は「カギとか無いけど」とは言っているものの、「俺は別に良いと思うんだけど」みたいな顔をしていて、押せばどうにかなりそう。頼み込んで、ようやく置かせてもらえる事になりました。基本的にはダメっぽいので、同じこと考えている人は宿に預けたほうが良さそうです。ボクが「ところで今日は他にブンブン・クンバンの宿泊者いるの?」と聞くと、「キミだけだよ!メイビー、後で来るかも(笑)」メイビー(笑)じゃないしwまぁいないものは仕方ないです。国立公園側の岸には高いレストランばっかりだったので、売店のカップ麺で朝飯。
橋が落ちてる・・・
向こう岸に、橋の残骸が見えます。よろよろ近づくと、泥まみれのアイボルトが靴先に当たりました。あぁ、ここにワイヤーがかかっていたのか・・・。状況から見て、手前にある木が流れて来たか倒れて来たかで橋に当たり、吊っていたワイヤーを引きちぎったという所。「まじか・・・」声に出た。いやぁ・・・リアル金田一少年はいらないよ・・・虫と戦いながら泥と汗にまみれて約11km、7時間弱。これは無いよ・・・呆然としている間にも足元からはヒルが登って来ますが、もう払う気力もありません。しばし呆然として、ふと気づきました。橋が使えなかったらこの道は行き止まり。ブンブン・クンバンへ至るこの道は、最初の5km地点あたりに分岐があるのを最後にほぼ一本道になます。この支流を渡らない限り、ブンブン・クンバンへは行けません。前日に教えてもらった別コースは、この増水した川では渡れないだろうし、そもそも山の反対側で行きようがありません。という事は、引き返すしかないわけですが、現在時刻は16時前。日の入りは19時。7時間かけて歩いてきた道を3時間で戻れるわけがない。歩いて帰れないという事は、ボートをつかまえなくてはなりません。今日歩いている最中、観光客を乗せたモーターボートの音を何回も聞きました。しかし支流ではそういうボートは一切見かけないし、本流の方も音を聞いただけで、トレッキングコースは山に少し入った高い所を通っていて、コースは一度も川に近づきません。ただ、途中川の方へ分岐する踏み跡を何回か見かけました。あれがおそらく川へ降りる道でしょう。最後に分岐点を見たのはいつだっけ・・・?思い出せない。少なくともあの苦労した1.5kmには無かったと思う・・・要するに、あの1.5kmをもう一度越えなければならない。日暮れまでに船着場を見つけられるだろうか。いや、船着場を見つけるだけじゃ意味が無くて、日暮れまでにボートをつかまえなければならない。ジャングルで夜を迎える可能性を想像して、首の後ろがひんやりしました。呆然としてる場合じゃない。とりあえず本流へ戻ろう。先ほど道を見失って30分かけた区間は、道をたどると5分もかかりませんでした。道ってなんてすばらしいんだろう。本流に近づいてきたその時・・・バババババババ・・・・・・ボートの音だ!しかし草木が立ちはだかっていて川はまったく見えません。それでも叫ぶ。「ハローハロー!・・・・ヘルプ!!」ヘルプと叫ぶのはなんとなく大げさな気もして躊躇しましたが、首筋にさっき感じたひんやり感を思い出して「ヘルプ!」と言いました。でもボートも川も見えません。焦る。そして、人生の内でとった愚かな行動ランキングトップ5に入りそうな行動をしました。大声を上げる事にに集中するあまり、足元がおろそかになっていました。足を踏み出した先に、藪に隠れて見えないだけと思っていた地面は無く、次の瞬間滑落しました。
3mは滑り落ちたところで、枯れた木の根っこに引っかかって止まりました。幸い、この辺りはジャングルの地面とは違い比較的乾いた砂地の斜面で、なおかつ斜面に生えていた藪はすべてさっきのトゲトゲした植物だったおかげで、滑落とは言っても引っかかりながら砂の上を滑り落ちただけでした。滑落そのものによるケガは一切なかったものの、トゲトゲ藪の中を通り抜けたせいで手はもちろん、ズボン越しの足も切り傷・刺し傷だらけ。ズボンは薄手だったので、裾が大きく裂けてしまいました。上を見上げると、足場のない砂の急斜面な上、トゲトゲ藪が立ちはだかっていて、とてもじゃないけど登れそうにありません。さっき近づいていたボートが、川の下流に消えて行くのが見えました。よく考えたら、モーターボートはかなりうるさいので、叫ぶだけじゃ聞こえないようです。ヤバい状況になって、むしろ頭が冷えました。まだ傷口にささっているトゲを抜きながらいろいろ考えます。幸いなことに、今引っかかっているこの場所は、上方のトゲトゲ藪と川面近くに生い茂った木々の中間、川に面した開けた場所になっています。
ボートだ!!
自分の所持品で最も大きくて派手な色の物、蛍光黄色のザックカバーを振って叫びました。「ヘルプ!へーるーぷーーーーーー!」今度はヘルプと言うのに躊躇はありません。確かに今、ヘルプが欲しい。ボートの乗客の1人が、こちらを指さすのが見えました。ボートの船頭も含め、全員の顔がこっちを見ます。気づいた!ボートが岸に近寄って来ました。観光ボートではありませんでした。もっと小さい細長いボートで、12~15人ほどの浅黒い人たちがみっしり乗っています。「ここから落ちた、動けない、助けて」と伝えると、ボートから2人降りて来て、するすると斜面を上がって来ました。正直な所、岸がこんなにトゲトゲの木と水際の木に覆われていて、ここにボートが来たとして助けてもらえるんだろうかと、待っている間ずっと心配していましたが、杞憂だったようです。観光ボートで無かったのがむしろ良かったのかもしれません。1人に荷物を持ってもらい、1人に手を引かれて難なくボートに降りました。ボートに座ると同時に「テリマカシ(ありがとう)、テリマカシ・・・」と手を合わせて拝みました。もう本気で拝みました。助けてくれた船頭(ボートの前に乗って指示する人)と操舵者(ボートの後ろでエンジンと舵を操作する人)に、ブンブン・クンバンに行こうとしたけど、橋が壊れていて、戻ってボートを呼ぼうとしたら落ちて・・・と説明すると納得して、すごく同情されました。天気が崩れそうだけど、クアラ・タハンまで戻ってくれるらしい。「120リンギット(≒3,142円)だけどいいか?」と念を押されましたが、良いも悪いもありません。今なら1万円払ったって良い。一瞬、ブンブン・クンバンに向かう事も考えましたが、確かボートで行っても更に1時間くらい歩かないといけなかったはずなので、すぐに却下しました。現在時刻は18時半。日暮れにも雨の降り出しにも間に合いません。このボートはクアラ・タハンから出発し、ボクが拾われた場所から更に奥地にある村に帰る人々を乗せたボートでした。5分ほど行くと、藁や竹?みたいな薄茶色い材料で作られた家々が、岸の上に見えました。ボートに乗っていたのは買出しに行っていた人達らしく、それぞれに荷物や袋を抱えてぞろぞろと降りて行きました。重そうなズタ袋を抱えて降りて行く、小学校低学年くらいに見える子供もいます。あぁ、この人たちは毎日このジャングルの中で生きてるんだ・・・ヒル、蟻、虫、サソリ、今日見たいろんな気持ち悪い生き物を思い浮かべながら、ボートを降りて行く人たちを尊敬の目で見送りました。そしてここでUターンしてクアラ・タハンへ。
さて翌日(5月11日)です!8時に目が覚めて、タマンヌガラ国立公園事務所へ向かいました。
後日追記。まさに「ジャングル・リベンジ」。ブンブン・クンバンにちゃんと行けた日記はこちら。いざブンブン・クンバンへ!TAKE2
コメント
(´・ω・`)しっかし管理の人は橋壊れてるのどんだけ気づかなかったんだろうね。
ボートのひとがやばい人じゃなくて良かった。
他の人のブログ見てたら橋渡った先にはトラとゾウの生息地があるそうな
気をつけて~そして、「上を向~いて、歩こ~うよ♪」と歌えると日本人の証明になるそうですよw
ジャングルやばいすなぁ
名前を藤岡弘にして書き込もうとした自分が恥ずかしいです
アフリカフルの後泊まるブンブン記事楽しみにしてます!
ドキドキはらはらで読みました。大変なことに成っていたんですね。日本軍も南方で苦労したと本にも書いてありましたが。それ以上に感動しました。テレマカシ?
サソリいたーーーーー;;
怪我も軽傷でなにより><
今頃出発した頃かなー?
諦めない精神すげぇっす…
続報待つ!
無事でよかった~
自然にも注意が必要だね。
>>ログボさん
橋をぶっ壊したと思われる流木がまだ生々しかったので、ここ数日の事かなと思います。
今の所、マレーシアの人は良い人が多いですよ~
>>ユウキさん
トラは会いたくない!w
野生のゾウってどんな感じで生息してるかまったく想像つきませんね!
あんなにジャングルは狭いのにどうやって移動してるんだろう。
「上を向いて」はめっちゃうろ覚えなんですが、証明できますかね!?(´・ω・`)
>>トウガラシさん
ふじおかひろしwww
誰のコメントかわからんじゃないですか!w
アフリカ(フル)、パーティとかしてなければ良いですね・・・
>>y.kujimeさん
大変なことになっていました!w
そういえばマレーシアではテリマカシ(ありがとう)に対してはサマサマ(お互い様)と返すんですよ~
>>る!り!さん
ご心配ありがとうございまーすヾ(‘ω’)ノ”
ボートで行くと昨日の橋まで30分そこそこ(笑)なので、今日は午後出発です。
サソリいたんですよ!しかも割と序盤で。
でも他はあまり動物見れなかったので、今日に期待です。
>>師匠さん
無事でしたー!ありがとうございますm(。。)m
やっぱり自然は怖いっす(^^;
過激派は悪質でも普通のイスラムの人は規律に厳格で温厚だという話はよく聞きますね。
はぐれめたる見かけたら逃げられる前に写真をw
(さそりの写真はちょっと感激)
ですです!
イスラムの国はヨルダン、パキスタン、キルギスに行きましたが、ボクはイスラム教の方にはすごく好印象を持っています。
あんな良い人たちと過激派が、同じ宗教なわけないとすら思ってます。ボクからすると、過激派なんてイスラム教じゃないっす。
ブンブンブラウやクンバンは水どうでしか知らなかったので、ビックリしました;
こんなに過酷とは・・・
>>とおりすがりのさん
通りすがり?にコメントありがとうございます(人´∇`)
精神面でいろいろ過酷です・・・
笑いの神に愛され過ぎてて、もはや途中から笑えないやないかwww
やっぱブンブンやべぇ…
とりあえず正座ほどきましたよ。
途中かなり弱ってたナ!神様はその人が乗り越えられない壁は与えないんだってさp(^_^)q強運持ってるね〜。でもそこまでして過酷なクンバン目指すのは何故?ところで橋屋の私としては、落ちた橋復旧しに行きたいナ〜^ ^
いやーハラハラドキドキな展開でちょっとした小説より面白い・・。あっ、大変な目にあってるのに面白いなんてゴメンね。君が、ジャングルでもがいている姿がよくわかる。
それでも再チャレンジするとはボートを使うとしても『どんだけ M やねん❗』と突っ込んでみる。
お疲れ様です。かなりの大冒険でしたね。
これ、まとめて本にしたら、売れると思う。映画化したいなんて人も現れるかもね。
とにかく、この先、気をつけて。ヨーロッパで待ってるよ!
笑いの神が限界突破して憑依しすぎww
危うく奈良で土下座させられるとこやった・・・(-公-;)
先生のジャングルリベンジ期待してます!
よくこんな過酷な旅ができるな~って
感心してます て言うか理解不能…
読み物としてはハラハラドキドキ
手に汗握る大冒険で面白いです!
カメラは修理したレンズが戻っても無駄な気が…
>>baumさん
過酷なクンバンを目指すのは、最初は好奇心、もう一回チャレンジするのはレースを完走したい感覚に近いですね~
橋屋の子が橋が落ちてピンチになるとかやめてほしいですw
>>元三係長さん
おもしろいと言って頂けて嬉しいです(人´∇`)
しんどい思いをしたんだから楽しんでもらわないと!
ブンブンにこだわりは無かったのですが、1回失敗して執念が芽生えました^^w
>>サムライ・ブルーさん
おほめ頂き光栄ですm(。。)m
ちゃんと辿り着けるようがんばります!w
>>安田さん
あなたのせいですーーーーwww
橋が落ちたのを見た瞬間、「笑いの神」が頭をよぎったのは内緒です(*ノωノ)
>>砂かけばばあさん
ハラハラドキドキさせてごめんなさいーw
カメラは大丈夫!調子復活しました!
ちょっと見ない間にめちゃくちゃがんばってるじゃないですかw
>◆がんばらないバックパッカーポイント
>③疲れる移動手段嫌じゃね?
すごい面白かったけど、無事に帰ってきてくださいね。
>>雷震子さん
言われてみればたしかーに!!!
ボクの中では「疲れる移動手段=長距離バス」の構図が成り立っていますw
大きな怪我にならなくてよかったです。ブログが続いているのはわかっているので、大丈夫だとは知りつつもドキドキしました。
>>hermitさん
この記事投稿してる時点で無事確定ですからね!
お楽しみ頂けて(?)嬉しいです。
久しぶりに水曜どうでしょうを見ていて、ジャングルに魅力的を感じ行ってみたいと思うようになったのですが、大自然はやはり甘くないということがよ〜くわかる内容でした。すごく参考になりました。これからも楽しみにしてます!
>>40代主婦さん
どうでしょうファンの方にもお楽しみいただけて嬉しいです~。
ブンブンは友人(どうでしょうファン)に教えてもらい、自分は見たこと無かったんですが、この日記の1,2ヶ月後にジャングルとジャングルリベンジを視聴しました。見てたら行かなかったと思いますw