ぼんじゅーる!
今回はフランスの世界遺産モンサンミッシェルに行きました!
モンサンミッシェルとは
モンサンミッシェル(Mont Saint-Michel)は、フランス西海岸の沖合に浮かぶ島に造られた修道院の事です。10世紀に小さな修道院を建て、そこから13世紀までに増改築を繰り返してほぼ現在の姿になりました。日本人にめちゃくちゃ人気の観光地なので、たいていの人は写真を見た事があると思います。
もともとは修道院として多くの修道士や巡礼者を受け入れていましたが、百年戦争の際は要塞として機能し、イギリス軍に囲まれても1度も陥落しなかった優秀な軍事施設でもありました。
フランス革命の際に修道院は廃止され、その後は監獄として使われていた期間もありましたが、1865年からまた修道院として再開し、現在でも現役の修道院として使われています。
宿の宿泊費には朝食が含まれていたので、朝8時に居間へ降りて行きました。
・・・・・・・(゚Д゚)←絶句
チーズのかたまり、ゆで卵、バター、ジュース2種類、ジャム3種類、コーンフレーク2種類、リンゴ、はちみつ、パウンドケーキ、ヨーグルト、ホットミルク、コーヒー、紅茶、そしてふかふかで温かいバゲットとクロワッサン。ちょっとした高級ホテルみたいです。
もうそのまま油絵のモデルになりそうなビジュアル。
これってヨーロッパ人の理想の朝食じゃないですかね。ナルニア国物語あたりに出て来そう。ボクがアフリカ帰りのヨーロッパ人なら感涙にむせび泣いたかもしれません。
ただ、残念ながらモンサンミッシェル行きのバスの時間があるので、そんなに優雅なひとときを過ごしてもいられないんですよね。急いでバゲットをチーズや卵で食べました。明日はゆっくり楽しもう。
8時50分にポントルソンの鉄道駅へ。鉄道駅の前からモンサンミッシェル行きのバスが出ているのです。
なんか駅前にごちゃごちゃいるなーと思ったら、子供会みたいな一団がわいわいたむろしていました。うわー、子供きらーい(ヽ´ω`)
バスは普通の市バスみたいな車体で、片道2.9ユーロ(≒361円)でした。
バスで15分ほど走ると、モンサンミッシェルが見えてきました。
微妙に手前で降ろされました。
第一印象:めっちゃ茶色い
てっぺんの尖塔があるから辛うじて人工物に見えるものの、薄目で見たらただの岩山に見えそうです。
あと残念ながら引き潮ですね。
全然海の中じゃないw
あとめちゃくちゃ寒いです。今朝は気温が低くて路面が凍ってるくらいの気温のところに、モンサンミッシェル周囲には遮るものが無くて吹きっさらし。歩き回る予定なので薄着で来てしまいましたが、バスから降りて1分で後悔しました。
どう撮っても道路が入ってしまうので、潮が引いた砂の上を歩いてみましたが、すぐに足が泥に沈んだのでやめました。
19世紀にちゃんとした道路が出来る以前、モンサンミッシェルへ渡るのは命懸けだったらしく、砂に埋もれたところで潮に押し流され、多くの人が亡くなったようです。「モンサンミッシェルに行くなら遺書を書いていけ」と言われるくらいだったらしい。絵的には道路はジャマですが必要な物なので仕方ありません。
モンサンミッシェルの島への入口。
あん?左下の白い看板めっちゃジャマやな・・・観光局にセンスは無いのか・・・と思ってよく見ると、これは工事看板でした。「大きな工事をこれこれこの区間でやるから全面通行止めよ」って説明が書かれています。
進むと、良い雰囲気の中に、いきなりフォークリフト。
そして工事。
いや、分かるよ?工事必要だよね。やるならオフシーズンの今しか無いよね。分かるよ?でもこの微妙なガッカリ感はぬぐえません。
モンサンミッシェルの一番下の通路は工事で8割方封鎖されていたので、階段を登っててっぺんの修道院を目指します。
短足でちまちま歩くネコがいました。
ネコってすらっとしたのも良いけど、丸っこくて短足のやつも良いよね。
墓地。
上から見た街並み。
天気悪いっすなぁ・・・。
干潟のど真ん中に誰かいます。
すごいな、あのぬかるみの中を歩いて行ったのか。長靴でも履いてないと行く気になれないな・・・。
それにしても、高いところに上がっても海なんか全然見えませんね。干潮時は、18km向こうまで潮が引いてしまうらしいです。
モンサンミッシェルの修道院入口到着。近くから見ると巨大すぎてよくわかりません。
同じバスだった子供会の一団が中に入って行くのが見えました。そりゃここに来るのは当たり前なんだけど、嫌だなぁ・・・。冬(シーズンオフ)のモンサンミッシェルの唯一良い所が、人が少なくて静かな事だろうに。
入場料は10ユーロ(≒1,246円)。追加で、3ユーロ(≒374円)のオーディオガイド(日本語)も付けました。
先日のベルサイユ宮殿のオーディオガイドが面白かったので、ちょっとハマっています。
入場してからも更に階段を上がって行きます。
この階段の左側が修道士達の宿舎で、右側が修道院らしい。渡り廊下みたいなので繋がっています。
なお、宿舎は見学できません。宿舎以外にも一般公開されてないエリアがちょいちょいありました。まぁ現役の修道院だから仕方ないですよね。
階段の途中に巨大な蛇口。
手でも洗うのかな?
今はどうか知りませんけど、もともとモンサンミッシェルには水が引かれていなくて、屋根に降った雨水を集めて貯水槽に貯め、それを修道院各所に送る仕組みがあったそうです。
尖塔のてっぺんにある像は、大天使ミカエルの像。
モンサンミッシェルは大天使ミカエルを祀った修道院。なのであれがご本尊みたいな物です。
でも、よく考えたらご本尊を尖塔のてっぺんに設置するって、日本じゃちょっと考えられないですよね。日本ってどっちかと言うとご本尊は中に収めたり、時には人目から隠したりする方向なので、ミカエルさんあんなに吹きっさらしで大丈夫かなと心配してしまいます。文化の違いですね。
モンサンミッシェルの尖塔模型。
近年、あのミカエル像の金箔を貼り直した際の再現模型。
なるほど、ヘリコプターで吊って降ろしてまた揚げたのか。富士山のレーダードーム建設みたい。
10世紀に最初に建てられた修道院の模型。ものすごく小さい。
現在の姿。
なお、裏側は急斜面で雑木林になってる模様。
あちこちに設置されている解説パネル。フランス語、英語、スペイン語、日本語で記載されています。
要するに、外国人観光客数のトップスリーに日本が入ってるって事ですね。実際、こんな条件最悪の日なのに日本人観光客だけやたらといました。
修道院付属教会の内部。
大きいけど装飾は質素。まぁ大聖堂とかじゃなくてあくまでも修道院付属の教会ですからね。
あと大きな見どころとしては回廊。
梁が二重で、細い柱が互い違いになっています。この回廊から教会や寝室、食堂、書物室へ繋がっています。
回廊の一面は大きな窓になっていて、海が見渡せます。
海じゃなくて干潟ですが。修道院とは思えない建築センスしてるなぁ。
あと天井が木造の大食堂もなかなか。
下層部に降りて行くと、唐突に巨大な回し車が。
最初は水車かと思いましたが、羽根が付いてないし、どう見てもハムスターの回し車が巨大になったようにしか見えません。
そこでオーディオガイドの解説が入ります。「これは中に囚人6人を入れて走らせ、それを動力にして荷揚げする装置です。」マジで回し車でした。確かに太いロープが巻き付いています。
ここが荷揚げ口。
本来なら修道院に無いような設備が、要塞や監獄などになった経歴を経てここにあると言う事ですね。
他にもいろんな部屋があってオーディオガイドの解説もおもしろかったのですが、全部書くとキリが無いのでここで終わり。
かなり広いし、オーディオガイドの説明はディープだしでめちゃくちゃ楽しかったんですが、それ以上に寒くてしんどかったです。突っ立ってオーディオガイドを聞くと凍えるので、室内を何周も歩いたり、人目が無い時はスクワットしてました。
最後は、最初にチケットを買ったチケット売り場に戻って来ます。
このチケット売り場の部屋は、もともとは一般の人に施し物をするための部屋だったらしい。
モンサンミッシェルのオーディオガイド、3ユーロでめちゃくちゃ楽しめるので、是非付けたほうが良いです。
土産物屋も充実していました。これは多分ミカエル像ですが、こんなヌペッとした見た目では無かったと思うw
ヨーロッパの観光地にはよく記念メダルの自販機がありますが、ここには初めて見る記念紙幣の自販機がありました。つい購入。2ユーロ(≒249円)。
ユーロ紙幣風のデザインなのもおもしろい。
裏はフランスの観光地てんこ盛り。なぜか巨大なモナリザがこっちを見ています。
なかなかシュールで良いデザインだと思いますw
この後はモンサンミッシェルの島内歩き。要塞だったころの名残で、城壁の上を歩けるんですよ。
それにしてもクッソ寒い。おかしいくらい寒い。
だいたい、もう12時だと言うのに水たまりが凍ったままってのがおかしい。朝から気温上がってないのかい?
そして、旗が常に真横になびく程のド強風。
ずっと階段を上り下りしてるんですが、そんなんじゃ全然間に合わない速度で体温が奪われていきます。
寒さに耐えきれず、いそいそとモンサンミッシェルを後にしました。
帰りのバスは14時でまだまだ時間があるので、2kmくらい離れた、レストランやホテルが立ち並ぶエリアまで歩く事に。遠ざかりながら良い角度を探して歩きます。
めっちゃ草生えてますがな。
ちなみにこの辺は牧草地帯で、季節によっては牛が歩いていたりするそうです。姿は見えませんが、風に乗って時折家畜の匂いが流れてきます。
こんな風景が見える橋があるらしい。ちょっと寄ってみるか・・・。
現実。
真ん中の苔まみれの岩が汚らしい(ヽ´ω`)
レストランエリアに到着。雨が降り始めました。
エリアの端にあったこのレストランで食べる事に。と言うか、雨が強くなって来てこれ以上歩けませんでした。
手も顔も足も冷え切ってカッチカチです。
2品選べるクレープセットみたいなのをオーダー。14.8ユーロ(≒1,844円)。1品目はサーモンとホウレン草のガレット。
ガレットは何気にフランス北西部の郷土料理ですからね。まさにここですよ。
サーモンがしっかり入ってるぅー(*´ω`)
ホウレン草は全然クセが無く、クリーミーな感じになっています。
フライドポテトもサクッとしててすごくおいしかったです。フライドポテトってフランスではフレンチフライって呼ばれます。わざわざ自国の名前を冠した料理なので、きっとフランスのどこで食べても美味しいんじゃないかと思っています。よっぽど自信とプライドが無いと「日本揚げ」なんて名前付けませんもんね。
2品目はキャラメルクレープ。
キャラメルソースが濃厚だし、クリームがちゃんと生クリームだし、見た目の地味さに反して満足度高し(*´ω`)
食べ終わると13時30分。バスまであと30分。外は雨が降っててめちゃ寒いので、バス停近くのカフェでコーヒー飲んで待ちます。
ビスケットは、さっきのレストランでお会計時にもらったやつ。エスプレッソとよく合いました。
バスはちょっと遅れて14時15分くらいにやって来て、雨がざんざん降る中を宿まで戻りました。今日は芯から冷え切った・・・。
天気が回復するようならまた夕景を撮りに行こうかとも思ってたんですが、16時過ぎの時点で雨は上がっているものの曇天。
寒くて疲れたし、なんかもう完全に諦めモードで次の宿探しに没頭していて、ふと18時に外を見ると綺麗な空が見えていました。「これは!」と思って時刻表を確認すると、バスは18時10分。現在18時5分。間に合わねぇぇぇぇ(;ω;)
と言う事で、ラストチャンスを逃してしまいました・・・。諦めと疲労で完全に油断していました。
モンサンミッシェルは楽しかったですが、寒い、天気最悪、干潮、工事中、子供だらけ、と言う、およそこれ以上無いんじゃないかと言うくらい最悪な環境を引き当ててしまいました。天気予報によると明日の最高気温は9℃もあるそうですよ。なんでやねん!
宿に戻って気付いたのですが、潮の干満のスケジュールはしっかりここに載っていました。⇒【英語サイト】TIMES OF THE TIDES※サイト内のPDFをダウンロード
モンサンミッシェルの潮の干満スケジュール(2019年版)がしっかり出ていました。これによると、ちょうど今日は潮が引いてる日で、1日の中では朝が干潮、夕方が満潮だったようです。と言っても全体的に潮が引いてる日なので満潮になっても知れてます。前後どちらかに4日ずらすと全体的に潮が高い日に当たっていたみたい。
先にこれを知ってたら、スケジュールを前後どちらかにずらしたよね・・・。潮に関しては完全に勉強不足と計画ミスでした。
計画段階で負けてる上に、運も最悪なモンサンミッシェルでしたが、滞在は延ばしません。明日はレンヌに移動します。では今回はこれにて(=’ω’)ノ
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