【エジプト】アスワンから世界遺産アブシンベルを見に行った。ラムセス二世だらけ(2018年12月18日)

あっさらーむあらいくむ!

今回はエジプトのアスワンから世界遺産アブシンベルを見に行きました!

 

世界遺産アブシンベル(Abu Simbel)とは

世界遺産アブ・シンベルは、紀元前1250年ごろに造られたと言われている、エジプト南部のヌビアにある遺跡の事です。当時の王ラムセス二世が建造したと言われており、遺跡は大神殿と小神殿があります。

実はこの遺跡、1960年代にアスワン・ハイ・ダムの建設と共にダムの底に沈むところだったんですが、それはアカン!と言う事でユネスコ主導で移設工事が行われ、アブシンベルは現在の位置、ダム湖(ナセル湖)の湖畔に移されました。

なお、このアブシンベルが沈んでしまう案件をきっかけに、”世界遺産”と言う制度が作られたと言われています。




さて、昨日のうちに宿で申込んでおいたアブシンベルツアー。ツアーと言ってもアブシンベルの駐車場までの送迎のみですが、何気に片道280kmもあるアブシンベルまで230ポンド(≒1,443円)で行って帰って来られるなら高くないです。

宿のオーナーから「朝4時にレセプションにピックアップが来るから」と言われ、「まぁどうせ15分くらい遅れて来るんだろうな」と思いながら朝3時55分に部屋を出て、建付けの悪い鍵をガチャガチャ閉めていると、唐突に後ろから声をかけられました。

白い服のおっちゃん「アブシンベル!?

ぼく「うっわ!イエス!イエス!」

白い服のおっちゃん「レッツゴー!」

まさかの5分前行動で迎えが来ました。ボクがもうワンテンポ出るのが遅れていたら3時56分には彼はボクの部屋のドアをノックしていた事でしょう

 

キレイなハイエースの車内。

ちゃんとした、どこかのツアー会社のハイエースみたいで、車内はしっかりとキレイでした。

ボクがピックアップされた1人目の客で、この後1時間くらいかけてアスワン市内で客をピックアップ。でも最終的に満席にはならず、客は7人ほどしか乗りませんでした。こんなにスカスカでも採算取れるのか。

 

まだ全然眠かったのですぐに寝て、起きると明るくなっていました。

完全に砂漠の景色ですねー。エチオピアと全然違う。ほんと、スーダン通って来たかったなぁ・・・。

7時頃に朝食休憩。

 

他にも、うちのツアーと同じようなハイエースがパラパラとやって来ました。どこも同じようなスケジュールでアブシンベルツアーをやってるんでしょうね。

 

チョコクロワッサンとポテチ。15ポンド(≒94円)。

ボクの前で会計していた客が、1.5Lの水を15ポンドとめちゃくちゃぼったくられてた(本当は5ポンド)ので、おそらくこのお菓子もかなりぼったくられてると思われます。ボクは水は持参していましたが、食べ物もアスワンで買っておけば良かった。

 

砂漠の中の一直線の道を走り続けて、8時10分頃にアブシンベルの駐車場到着。ナセル湖が見えます。

「10時にここに集合」と言われて自由行動。ボクは自由行動の方が嬉しいけど、これってツアーじゃないよねとも思う。

 

アブシンベル入場料は215ポンド(≒1,349円)。

窓口には215ポンドの表記があったけど、チケットの表記は200ポンドなので、また最近値上げしたみたいです。

最初300ポンド渡したら、「釣りが無い!!!」と怒られました。釣りが用意できないなら値上げするんじゃねぇ(#^ω^)イライラ

 

たまたま同じ車に乗っていた、日本人旅行者のIさんと一緒にアブシンベルをまわる事にしました。

アブシンベルはチケット売り場の段階から中国人や日本人のアジア勢がめちゃくちゃ多く、7割くらいアジア人じゃないかと思う多さでした。

ナセル湖を眺めながらてくてく。

ナセル湖は前述の通りダム湖ですが、湖のある砂漠の景色ってなんだか不思議です。

アブシンベルが見えて来ました。

 

これがかの有名なアブシンベル大神殿。

えー、みなさま。正面に見えます大きな像は、左からラムセス二世、頭が崩れたラムセス二世、扉を挟んで右側がラムセス二世、一番右がラムセス二世でございます。

全部ラムセス二世かいΣ(‘ω’)

はい復習です。ラムセス二世は当時の王で、この神殿を造った人ですね。

右側のラムセス二世とラムセス二世。

 

左側のラムセス二世とラムセス二世。

えーと・・・はい、しつこいですね。すみません。

正面入り口の上にいる小さいのは、ラムセス二世の名前の由来になった神様とかそんな感じのみたいです。Iさんの持っていたガイドブックに書かれていました。ラムセス二世に対して神様小さくないですか?妖精さん?

 

正面入口よりはるか上に並んでいる小さい像は、これまたIさんの持っていたガイドブックによるとヒヒ(太陽神を崇めるとされている)だそうです。

 

入口の脇に描かれた、たいへんエジプトらしい壁画。

 

さて、気になる内部ですが、中は別料金300ポンド(≒1,883円)の撮影許可証が必要なので撮っていません

高過ぎるだろ。人間より高い撮影料金って何なの。

中には「ノーフォト!ノーフォト!」と怒鳴りながら巡回するおっさんがいました。お仕事大変ですね。金だけ取って取り締まりが人間頼みとか、制度考えた人が頭おかしいと思います。

 

なお、中に入ってすぐ通路の両サイドに並んでいた像8体もラムセス二世、神殿の最奥に並んでいた像4体の内1体もラムセス二世だったので、内外合わせて大神殿だけで合計13体のラムセス二世像がありました。

もちろん、内部の巨大な壁画も(またIさんのガイドブックによると)「戦車に乗ったラムセス二世」の図とからしいので、本当にラムセス二世だらけの神殿です。

もし自分が王になって神殿を造る事になったとしても、ここまで自己愛強くなれませんわ。ナルシストもここまで来ると世界遺産になれるんですね。

 

こちらは小神殿。

像が6体並んでいますが、こちらは左からラムセス二世ネフェルタリ王妃ラムセス二世、扉を挟んでまたラムセス二世ネフェルタリ王妃ラムセス二世、だそうです。

ネフェルタリ王妃はラムセス二世の最愛の妻だったそうなのですが、ラムセス二世像が大小の神殿あわせて17体、ネフェルタリ王妃は2体な事を考えると、ラムセス二世が最も愛していたのはどう考えても自身でしょう

こちらの神殿にも、中には「ノーフォトおじさん」がいました。

 

どちらの神殿内部も壁画がすごかったです。表現する語彙が乏しいのですが、まさにエジプト!って感じの壁画でした。トリの頭をした王?神?に何かを捧げている絵がやたら多かったです。Iさんは「遊戯王思い出した」って言ってました。とにかくそんな雰囲気。

で、壁画って言うからには絵かと思っていたんですが、ペイントじゃなくてほとんど彫刻なんですね。知りませんでした。

彫刻の技法で言うと肉合い彫りに近いです。輪郭線を深く彫り下げ、絵柄部分の模様を立体的に彫るような感じ。なので、近くで見ると人物の脚や腕に立体的な丸みがあるのです。そう言う丸みはかなり滑らかに仕上げられていて、紀元前1200年とかそんな便利な道具も無いだろうに、よく石をこんなに綺麗に仕上げたなと感心しました。

彫った人が異なるのか、輪郭線の太さや、絵柄の立体度が、絵によって微妙に異なっていて、そう言う違いを見つけるのもおもしろかったです。

 

アブシンベルの周囲はナセル湖。ここに沈まなくて良かったね、ラムセス二世さん。


 

ぐるっと神殿の裏側を通って出口に向かいます。

・・・・・・

こんな巨大な物、どうやって移設したんだろうと思いましたが、これあれですね、移設したのは表側と内部だけですね。

コンクリートで山形の建物を造り、内部の壁画や像、表側の壁や像を取り付け、上から砂をかぶせてそれっぽい山に見せてるわけですね。裏から見て理解しました。

 

ビジターセンターに再現模型がありました。

 

撮影禁止な内部。こんな感じで部屋がいっぱいありました。

 

移設工事の写真もありました。やっぱりコンクリのドームだ!

しかしまぁ、こういう工事って大変だろうなぁ。遺跡の専門家と、普段は土木工事している工事屋さんが一緒に仕事するんでしょ?遺跡の専門家は無茶な勝手な事言い出して、工事屋さんは遺跡に対する配慮に欠けていて、絶対ケンカになるんだ(想像)。

 

Iさんとともに駐車場に戻ったのは9時55分。時間いっぱいアブシンベルを楽しみました

ツアーバスだらけ。こりゃ人多いに決まってるわ。

 

また280kmほどを走ってアスワンに戻りました。アスワン到着は13時半くらい。・・・これ、別に朝4時とかじゃなくて、朝7時出発とかでも良くね?まぁ良いけど。

観光スポットを人と一緒に回るなんて滅多にやらないボクですが、やってみたら案外楽しかったです。やっぱりそれぞれ違う視点の意見があるので、気付きが多いです。Iさんはクルーズ船ツアー参加中のようで、クルーズ船に帰って行きました。ナイル川のクルーズ船とか羨ましい(›´ω`‹ )

コシャリとサラダ。40ポンド(≒251円)。だいぶぼったくられてる気がする。

コシャリとサラダ

コシャリはエジプトの定番B級グルメ。

掘ると、ぶつ切りのマカロニ、パスタ麺、米、更に細い麺などが出て来ます。どんだけ炭水化物好きやねん

上にかかってるのはトマトソースやひよこ豆など。別にまずか無いけど、想像の域を出ないお味。

「胃に良いんだ!」と葉っぱがいっぱい出て来ました。

臭みは無くて、ほんのり苦いあっさりした葉っぱ。胃に良いかはともかく、炭水化物だらけのコシャリに後半飽きて来るので、適当に葉っぱをつまみながら食べ進めました。

 

さて、明日はアスワンハイダムを見に行きます。では今回はこれにて(=’ω’)ノ

コメント

  1. Yukie より:

    いつも興味深い投稿ありがとうございます。あまりにも面白いのでwoltさんのブログを読むのが日課になっています。ところで、エチオピアからアスワンへ飛行機で行かれた日のブログが「朝4時15分%」のみしか読めないのですが、当方の問題でしょうか。これからもお体に気を付けてゆっくり旅を楽しんで下さい。

  2. wolt より:

    >>Yukieさん
    日課になさってるなんて嬉しいです、励みになります!

    前日の日記のご指摘ありがとうございます!確かに消えてますね(^^;
    投稿直後は自分で確認したし、人からコメントも頂いていたので、どのタイミングで消えたのかが謎です・・・
    たった今、日帰りツアーに出てしまったので、帰ったら(9時間後くらい)に修正します~。

  3. 芋子 より:

    >トリの頭をした王?神?に何かを捧げて
    ハヤブサ頭のホルス神ではなかろうかと思います。
    太陽と天空の神様だとか。
    壁画にしろ彫像にしろ、大勢で創ったものなのに統一された文字?絵?を完成させる技術と統率が大昔にあったことに驚きです。
    私なら壁画に自作キャラをつい忍ばせたくなります。笑

  4. wolt より:

    >>芋子さん
    なるほど!大神殿が太陽神を祀っているらしいのですが、確かに頭が鳥の神様は大神殿にいっぱい描かれていました。
    壁画はいっぱいあったので、自作キャラ混ざってても気付かれないのでOKな気がしますw