オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロ登山はどう?ツアー会社選びから実情まで

オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーに参加して来た!

キリマンジャロでは1年の間に2回雨季があり、3月~6月を大雨季、10月~12月を小雨季と呼びます。もちろん、登山は雨季を避けるのが普通であり、大雨季も小雨季もオフシーズンとされています。

しかし、ボクはオフシーズン真っただ中の2018年10月25日~30日の5泊6日で、キリマンジャロ登山(マチャメルート)をしてきました。やはりオフシーズンと言う事で、他の旅行者のブログと少々違う部分もあったので、今回はオフシーズンのキリマンジャロツアーがどうか?と、ツアー会社選びをまとめました。

目次
  1. オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーに参加して来た!
  2. オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーってどうよ?
  3. オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーの特徴
  4. 実際にキリマンジャロツアーを見積もってもらった旅行会社一覧
  5. 比較検討する時に注意すべきこと
  6. ボクが選んだGAZELLE ADVENTURESについての感想
  7. ついでにチップの相場とか
  8. オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーまとめ

 

オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーってどうよ?

キリマンジャロのオフシーズンは1年に2回

キリマンジャロには年に2回雨季があります。3月下旬~6月の大雨季、10月~12月中旬の小雨季です。

ボクはこの内、小雨季真っ只中の10月下旬にキリマンジャロツアー(マチャメルート)に参加しました。

 

小雨季のキリマンジャロはどう?

ボクは、初日は一日中雨、その後も2日目~4日目は日中の半分くらいは雨もしくはみぞれでしたし、雨が降っていない時もほぼずっと霧が出ていました。

とは言っても、サミット(頂上)アタックの日は綺麗に晴れていましたし、標高が低い場所でも朝や夕方はキリマンジャロが見える事もありました。

 

やはり不安定な天候の小雨季

しかし、ボクらのグループの2日前にサミットアタックしたグループは頂上付近で吹雪だったらしいですし、ガイドの言うには2週間前は登山道が雨で冠水して魚が泳いでいたそうです。

小雨季で雨量が少ないと言えど、やっぱりキリマンジャロの気候はかなり不安定のようです。

ボクは運良くちょっと雨に悩まされる程度で済みましたが、運が悪いとキリマンジャロを全然楽しめないと言う事も起こりそうです。もし時期を外せるものなら外した方が良いと思います。

 

大雨季の方はどうなの?

大雨季は小雨季よりも雨量が多く危険なので、4~5月などは完全に閉山してしまうようです。時期がギリギリで微妙と言う方は、事前に現地のツアー会社に問い合わせるなどした方が良いでしょう

オフシーズンでも小雨季と大雨季では事情が異なるので、ボクはタイトルに「オフシーズン(小雨季)」と記載しています。

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オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーの特徴

オフシーズンのメリット
  • 登山者が少ない
  • しっかりしたガイドが付く
  • やや気温が高い

オフシーズンの一番のメリットは、やっぱり登山者が少ない事ではないでしょうか。

ハイシーズンには、1つのキャンプ地に500人以上も滞在すると言われており、その中には悪質なツアー会社もあるのでゴミが散らかったり数少ないトイレが大混雑したりするようです。

また、ハイシーズンの人数だと登山中も道が狭い区間ではしょっちゅう渋滞が起き、山肌に登山者の列が出来ているのが遠くから見えるほどだそうです。(下の写真は、5泊6日の期間中で唯一起きた渋滞)

その点、オフシーズンはそんな心配ゼロ。キャンプ地では隣のグループとけっこう距離を空けてテントを張ってもらえるし、トイレで待った事なんて一度も無いし、登山中も渋滞で動けないような事はほとんどありませんでした。

また、ハイシーズンはベテランガイドが人手不足になりがちらしいのですが、オフシーズンは優先的にしっかりしたガイドが付いてくれます。

 

オフシーズンのデメリット
  • 雨がやっぱり嫌
  • 景色が良くない
  • ツアー料金が高くなりがち

デメリットはやはりと言うか当たり前と言うか、雨がよく降る事に尽きます。ポーターに運んでもらったボクの荷物は完全に浸水してしまっていましたし、雨の中一日中歩くとレインウェアを着ていてもじっとりと濡れてしまいます。

ビューポイントは運が良ければ晴れる事もあるでしょうが、ボクの時は霧がかかっていて何も見えない事がほとんどでした。

また、どうしても客が少なくなるので、1人当たりが払うツアー料金が高くなりがちと言うデメリットもあります。

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実際にキリマンジャロツアーを見積もってもらった旅行会社一覧

実際に足を運んだツアー会社6社

ボクは「マチャメ・ルート5泊6日ツアー」「翌日か翌々日スタート」の条件で、キリマンジャロ近くの町モシでツアー会社を探しました。以下は各ツアー会社の料金と条件の一覧表。

キリマンジャロツアー会社まとめ

※画像が小さくて見づらい場合はクリックすると拡大できます。
※BUSH ROUTESだけはモシのオフィスではなくダルエスサラームのオフィスで聞いた話。

オフシーズンでも、モシにはおそらく10を超えるツアー会社がキリマンジャロツアーを取り扱っています。旅行会社によっては「向こう1週間グループツアーの取り扱いは無い」と言われる場合もありますが、+200~300USD程度で個人ツアーも組んでくれます。

 

あちこち回った感想

GAZELLE ADVENTURES・・・オフィススタッフ2名+社長が対応。ツアー内容やチップの相場などがしっかり文書化されており、頼めばすぐに印刷してくれます。ボクは最終的にここにツアーを申込みました。ツアーの良かった点や悪かった点は後述。

Kili Climbers・・・多分キリマンジャロに登る日本人のほとんどが利用している会社。社長が対応。態度が悪いと言うネット情報も見ますが、全然そんな事は無くて丁寧。向こう数日は申込者がいなくてグループツアーをやってなかったのでパス。

FREMMY TRAVELS・・・安いが、少し怪しげな雰囲気の旅行会社。オフィスは6社の中で一番ボロかったです。社長とその兄弟、ガイドとやらが対応。社長は丁寧だが兄弟とガイドが少ししつこくて面倒。説明してくれた内容やサービスは他の会社と遜色無いので悩むところ。

KESSY BROTHERS TOURS・・・オフィスが一番立派。社長とその兄弟と言う人が対応。ツアー内容やレンタル用品一覧が文書化されている。少々高くても質を求めるならここを検討しても良いかも。

Amazing Usambara・・・オフィスは立派。社長とポーターが対応。キリマンジャロよりも他のツアー(サファリとか)の方がメインのような印象を受けた。

BUSH ROUTES・・・ここだけダルエスサラームのオフィスで話を聞きました。モシにもオフィスはあるらしい。飲料水は自分で用意しないといけなかったり、レンタル用品が全部有料だったりしたため、まず消去した選択肢。

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比較検討する時に注意すべきこと

“いつまでに決めるか”を明示

いくつか旅行会社をまわる際は、「複数の旅行会社をまわって検討中である事」「いつまでに旅行会社を決めるか」を、各旅行会社にしっかり伝えるようにしましょう。

これを伝えておかないと、目星を付けていた旅行会社に戻ったら定員(MAX4~6人で決めている所が多い)に達してしまっている可能性もありますし、旅行会社の方だってポーターやガイドの手配があるから困るわけです。

「もしあなたの所に決める場合は、本日の昼12時までにもう一度来る」などとハッキリ伝えましょう。

 

自分が必要なレンタル用品の有無・料金は1つ1つ確認

どの会社も似たサービスを用意していますが、レンタル用品はけっこう会社によって違います。

靴から手袋に至るまで何でも無料で貸し出してくれるところもあれば、「トレッキングポールは無料だけど水筒は有料」など、よくわからない値段設定がされている所もあります。

防寒着や装備など、自分が必要な物を旅行会社が持っているか、またそれらは有料かどうかを、1アイテムずつ確認しましょう。

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ボクが選んだGAZELLE ADVENTURESについての詳細と感想

料金に含まれていた物
  • キリマンジャロ国立公園での宿泊費
  • キリマンジャロ国立公園利用料
  • レスキュー保険費
  • モシ市内のホテルまでの送迎
  • キリマンジャロ登山口までの送迎
  • 1日3食と飲料水・コーヒーなど
  • テント・寝袋などのレンタル・設置
  • 1日1回の体内酸素量測定
  • その他税金
  • 一部のレンタル用品

ツアー料金のうち国に払う費用だけで約880USDほどあるので、実際ツアー会社が受取る料金は非常に少ない事を念頭に置きましょう。

 

料金に含まれていなかった物
  • チップ
  • 一部のレンタル用品

 

良かった点
  • ガイドがしっかりしていてかつ旅行会社の正社員
  • 社長からガイドに至るまで安全意識が高い
  • 割とみんなクールでドライ。変なウェーイ感が無い

この会社の良かった点はガイドの質の良さです。ボクら客5人に対してガイドが3人付きましたが、全員旅行会社の正社員でした。やっぱりフリーのガイドよりも正規に雇われているガイドの方が信頼できますし、ツアーの質も安定するものと思われます。

キリマンジャロ登山に参加した人の話を聞いていて、「高山病で登りながら吐いてた」なんて話も聞きますが、ボクは吐くほどひどい高山病の人を下山させないガイドは悪質と思っています。客が登りたがってもそこは下山させるべきです。

その点、この会社のガイドは「高山病の症状が表れたら登らせない」と宣言していましたし、サミット(頂上)アタック日はオフィスの社長と電話で連絡を取っていて、登山の進行状況と客の体調を報告しているのを見ました。

登山中の安全管理と言う面では、非常に意識が高い旅行会社だと思いました。

あとこれは個人的な好みですが、ガイドやシェフたちが割とドライな性格だったのも、ボク的には良かったです。よそのツアー会社を見ていると、毎朝客を含むメンバー全員で歌って踊る儀式があるツアー会社もあったので、それを見ながら「あの会社じゃなくて本当に良かったな」と心から思いました

 

悪かった点
  • レンタル用品の有料と無料がわかりにくい
  • 時間を守らない
  • 預け荷物をポーターが濡らす
  • 食事用テントがショボい
  • 朝食にポリッジばっかり出る

レンタル用品の有料と無料がわかりにくい・・・これは出発前にちょっともめました。レンタル用品リストがあり、申し込み前にそれを指さして「これ無料?」と訊いて「無料」と言われたのですが、実はリストの中に有料と無料の物が混在していました。

寝袋やテント、トレッキングポールは無料だけど、水筒や手袋が有料だったり。リスト分けろよ

時間を守らない・・・ガイドが「xx時出発」「xx時食事」と教えてくれるのですが、出発はたいてい30分遅れますし、食事はたいてい1時間以上遅れていました。サミットアタック前の夕食なんか2時間以上も遅れ、そのせいでボクは50分しか寝てない上に胃もたれと言う、コンディション最悪の状態でサミットアタックに臨みました。

預け荷物をポーターが濡らす・・・客の荷物は、他のキャンプ道具などと一緒に大きなズタ袋に入れられ、ポーターが運びます。一応旅行会社は、雨が降った時に客の荷物を保護するための大きなビニル袋をポーターに渡しているらしいのですが、これを使わないポーターがいて、ボクのザックは連日浸水レベルでびしょ濡れでした。

食事用テントがショボい・・・どこの旅行会社も客が集まって食事するための食事用テントを持っているのですが、他の旅行会社と比べるとうちのが一番ショボかったです。サイズが小さいので、結露したテントにしょっちゅう服が当たって濡れました。食事用テント大事。

朝食にポリッジばっかり出る・・・これは個人的な好みですが、ここで出されるポリッジがボクにはどうしてもマズくて食べられませんでした。それなのに、毎日変わるメニューの中でポリッジだけは毎日欠かさず出て来ました。朝食はポリッジ以外で出て来る食事(トーストと卵)の量が少ないので、朝は十分に食事が取れませんでした

 

GAZELLE ADVENTURESの評価

一言で言うと、会社の体制とガイドは良いけどそれ以外がポンコツ。安全面では信頼できるものの、サービスの質を考えるともっと良い所があったんじゃないかなぁ・・・と言う感じです。まぁまわった中で最安値を選んだので仕方無いなと思っています。

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ついでにチップの相場とか

キリマンジャロ登山を助けてくれるガイドやシェフ、ポーター達には、旅行会社から十分な給料が払われないようです。そのため、彼らは客のチップで生活しています。キリマンジャロ登山するならチップは必ず払わないといけないと思った方が良いです。

ガイドやポーター1人1人に対してチップの相場を定めている会社もありますが、ざっくりした目安は「ガイドやポーター全員に対して」「旅行者1人が払うお金」は、ツアー費用の15%程度が目安だそうです。例えばボクは1,200USDのツアー費用を払い、結果的にチップは200USD払いました。

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オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロツアーまとめ

オフシーズン(小雨季)のキリマンジャロ登山は、メリットもあるし良い景色もしっかり見れるけど、精神的にキツイものがあるのでそれなりに覚悟が必要です。また、小雨季でも天候が荒れるとツアーそのものも開催されない場合もあるので、そこも注意が必要です。

周りの登山グループを見ていると、ツアー会社の質はけっこうピンキリでした。

おそらく100USDとか200USDプラスするだけで、かなり快適なツアーになると思われます。あんまり最安値にこだわらず、自分に合った程良い会社を選ぶことをオススメします。

いろいろありましたが、それでもキリマンジャロは行って良かった!と思える場所でした。タンザニアに来たらぜひキリマンジャロツアーに参加してほしいです。

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