海外旅行で遭いやすい犯罪の手口と対策(強盗編)

海外旅行で巻込まれやすい犯罪(強盗編)

事故や犯罪なんて、日本に住んでたって巻き込まれる可能性のあるものですが、海外旅行中はその確率はぐっと上がります

ここでは海外旅行中に巻込まれやすい犯罪の手口と対策をまとめました!タイトルの通り、今回は強盗ばっかり集めました

もちろん、これを書いているボクは海外旅行経験があるだけで犯罪の専門家では全くありませんし、被害に遭った話はよく耳にするものの、実際に自分が強盗に遭遇した事はありません。実際の被害者からの話や情報がよくまわってくるだけです。間違いや漏れなどがありましたらご指摘下さると幸いです。

あと強盗の名称もよく目にする俗称みたいなものを採用しています。




対面強盗

いろんなタイプの強盗がありますが、まずは一番わかりやすい対面強盗の話。

手口

「強盗」と聞いて真っ先に思い浮かぶのがこれ。強盗は刃物や銃などの武器を持っている事が多く、武器を使ってターゲットを脅迫し、金品の類を出させて奪うと言うシンプルな手口。

たいていの場合、人気の少ない路上や、強盗側の掌握している建物内など、警察や第三者に見つかりにくい場所で行われます。

 

予防策

当たり前ですが、人気のない場所や、人気のない時間帯に少人数で歩かない事が一番の予防策です。

夜暗くなってからも危ないですが、朝日が昇る前も同じくらい危ないです。夜は気を付けていても朝は気が緩みがちなので気を付けましょう。

また、普段から周囲をよく観察し、自分をジロジロ見ていたり、後を付けてきている不審な人物がいないかに気を付けましょう。

 

もし会ってしまったら

絶対に勝手に動かない事

実際の事例で、強盗に出会って先走って財布を渡そうとポケットに手を入れたら背中から刺されたケースがあります。

お国柄によっては、ポケットに手を入れる=武器を取り出そうとしていると判断されてしまう事があります。

なので、おとなしく金を渡す事を決めていても絶対に先走って動かないで下さい。まずは手を挙げて完全に動きを止め、落ち着いて強盗の要求している事を聞きましょう。

 

被害を最小限に抑える

命はお金で買いましょう。お金を出して助かる可能性があるなら、おとなしく従うに越したことは無いです。

対策として、「捨てサイフ」を持っておく方法があります。

1万円~2万円分くらいの現地通貨を入れた捨てサイフを用意しておき、強盗に遭ったらおとなしく捨てサイフを渡すと言うものです。もちろんカードや身分証などは捨てサイフに入れてちゃダメです。

状況によっては捨てサイフを投げて逃げても良いでしょう。

 

睡眠薬強盗

ある意味旅行者にとって一番身近なのがこの「睡眠薬強盗」インドやアジアを中心に昔からよく聞く強盗で、最近ではアフリカでも被害がありました。

手口

強盗は、駅や公園、バスや鉄道内など、ターゲットが座ってのんびりしている所に話しかけ、飲食物を勧めて来ます

飲食物には睡眠薬が入っており、摂取してすぐにターゲットは眠ってしまい、寝ている間に強盗は所持品や金品を奪って逃走します

また、自分が席に置いておいた水などに、知らないうちに睡眠薬を混ぜられる場合もあるそうです。

 

予防策

予防策は「知らない人からもらった物を摂取しない」の一言に尽きます。

と言っても、これもけっこう難しい所。旅行者と言うのはなぜか頻繁に人から飲食物をもらうのです。

ほとんどの人は親切心でくれているのに、それを断ったり口にしないと言うのは、やっぱりとても気が引けるもの。

人通りが多い場所や、警備員がいるような場所、要するに自分が眠りこけたとしても、相手が不審な行動を出来なさそうなシチュエーションならば摂取しても良いかなと思いますが、それでも完全に安全かと言われるとそうでもないです。

模範解答は単純なのに、予防策を完璧に実行するのが困難な事が、この睡眠薬強盗が古くからあるにもかかわらず被害が後を絶たない理由だと思います。

 

もし遭ってしまったら

睡眠薬を飲んでしまうと、その後はどうしようもありません。眠ってしまうと身に着けてる物からザックから全て奪われてしまうケースが多いため、睡眠薬強盗は予防できなかったらその時点で負けです。

過剰な量の睡眠薬が投与されるケースもあって、目が覚めても後遺症が残る場合もあるようで、本当に厄介です。

 

首絞め強盗

これも対面強盗の一種ですが、違うのはいきなり首を絞めて来て考える余地が無い事です。道具も何もいらないお手軽な手口なので、中南米やアフリカなどで広く被害があります。なんかスペインでも割とよくあるようです。

手口

路上などでいきなり後ろから首を絞められます

そして、ターゲットが気を失ってる間に所持品を奪っていきます。

 

予防策

対面強盗と一緒で、人気の無い所を歩かない・人気のない時間帯に歩かないのが一番です。

不自然に背後から近づいてくる人にも注意しましょう。

 

もし遭ってしまったら

後ろから首を絞められた状態で抵抗すると危険なので、抵抗しないのが一番です

特に相手が手慣れている場合、あっと言う間に気を失ってしまい、物は盗られても体のダメージは残らない事が多いそうです。

 

被害を最小限に抑える

この首絞めによる気絶はあまり長く続かない(数秒~数十秒程度)ケースが多い為、強盗は時間をかけて物色する事はせず、手っ取り早く盗れる物(手提げカバンなど)だけを盗って逃げて行く事が多いようです。

なので、普段から貴重品を分散して持っておくと、全損する事態は避けられます。

 

ぶん殴り強盗

これも首絞め強盗に似ていますが、もっと原始的で単純な強盗です。以前はグルジアで多発していたらしいです。

手口

路上などですれ違いざまにいきなり顔をぶん殴られます

当然、いきなり殴られたら痛いし何よりびっくりしてひるむので、その隙にポケットのサイフや手カバンなどをひったくって逃走すると言うものです。

 

予防策

対面強盗と一緒で、人気の無い所を歩かない・人気のない時間帯に歩かないのが一番です。

が、対面強盗や首絞め強盗と違ってごく短時間の間に行われるので、周囲に多少人がいても行われる場合もあるようです。ひったくりの乱暴なバージョンと捉える事もできます。

 

被害を最小限に抑える

ぶん殴ってひるんでる間に持って行ける物なんて、ポケットのサイフか手カバンくらいな物です。貴重品をわかりやすい場所に入れるのはやめましょう。

 

ひったくり

微妙な所ですが、これも強盗の一種です。古今東西あらゆる所で行われています。

手口

人気の少ない路上などで、すれ違いざま、または追い越しざまにカバンなどを奪ってそのまま走り去って行きます。

ひったくり犯は徒歩の場合もありますが、やっぱり多いのはスクーターでのひったくりです。

 

予防策

対面強盗と一緒で、人気の無い所を歩かない・人気のない時間帯に歩かないのが一番です。

が、対面強盗や首絞め強盗と違ってごく短時間の間に行われるので、周囲に人がいても行われる場合もあるようです。

特に整地された道で近づいてくるスクーターには警戒しましょう。

 

被害を最小限に抑える

カバンをたすき掛けにするのが最も有効です。相手がスクーターの場合、犯人側もそう強く引っ張り続けたり複雑な動作をしたりできないからです。

が、カバンをたすき掛けにした状態でスクーターのひったくりに引っ張られて転倒してケガした人を実際に見てるので、たすき掛けにしたら安全だね!って事ではないです。まずひったくりに接触されないに越したことはありません。

 

押込み強盗

上述の強盗は、大きなくくりで言うと全部対面強盗になりますが、押込み強盗は毛色が違いますし、気を付け方も違います。

手口

外国人旅行者の多い宿泊施設を狙って、宿泊施設に押し入り貴重品を奪う強盗です。

強盗側の人数が少ない場合は、旅行者の少ない日中を狙って行われるようで、強盗と対峙したという話よりも自分がいない間に盗られてたって話(厳密にいうと空き巣だけども)が多いようです。

 

予防策

宿泊施設側のセキュリティがしっかりしている事が一番の予防なので、旅行者側で出来ることはあんまり無いです。逆に言うならセキュリティのしっかりした宿に泊まる事が予防策です。

また、カギのある部屋ならカギは必ずかける(自分が中にいる時も含め)、昼夜問わず窓を開けっぱなしにしない、などでしょうか。

 

被害を最小限に抑える

強盗と対峙してしまった時は、対面強盗同様、落ち着いて相手の要求を聞く事が大事です。

自分がいない間に入られてしまった場合は、ちょっとでも盗りにくくしておく事で、被害を免れられる可能性が高くなります。

具体的には貴重品を見える所に出しておかない、カバンを開けたまま放っておかない、カバンには必ずカギをかける、簡単に壊せそうな貴重品ロッカーは使わないなどです。

開けるのが一手間かかる上に貴重品が入ってるかどうか分からないカバンよりも、強盗はもっと盗りやすそうな物を盗って行きます。いやな言い方をすると「自分より杜撰な人の荷物が盗られますように」って事です。荷物の管理は自己責任なので仕方ないですね。

また、貴重品ロッカーだけを狙う強盗もいます。

バックパッカー宿に多いのが、学校に置いてありそうな薄っぺらい金属製のロッカーを貴重品ロッカーにしてるケース。

そういうチャチいロッカーを採用していて、実際にイギリスのバックパッカー宿で発生した、南京錠をかけていたのにロッカーを壊して開けられてたケース。(写真提供:ナミビアでお世話になったモコさん)

こういったチャチいロッカーはカギをかけることは出来ても、工具を使えばロッカー自体をぶっ壊してこじ開ける事が可能です。

貴重品ロッカーなんて「貴重品がここにありますよ」と言ってるようなものなんだから、労力をかけてぶっ壊す価値もあるってもんです。チャチなロッカーに貴重品を入れるのはやめましょう。金庫型の丈夫なタイプならある程度信頼して良いでしょうけど。

 

強盗編まとめ

いやぁ、強盗は怖いですね。書いているだけでちびりそうです。

幸いな事に、ボクは今までどれも出遭ったことがありませんが、本当に旅行者の強盗被害は多いです。なので、自分もいつ遭ってもおかしくないと常に気を付けています。

強盗に遭うかどうかは運・不運なところがありますが、手口を知って予防しておくだけで出遭う確率を減らす事はできます

旅行する際は、現地の犯罪に関する情報はできるだけ集め、予防に努めるようにしましょう!

 

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