個人旅行(バックパッカースタイル)で真冬のアラスカのオーロラは見れるのか?
3年間の世界一周を終えたwolt(@wolt556)です!
世界一周の最後にオーロラを見るべく、2月にアラスカのフェアバンクスに行こうとした際、ネット上にあまりにもアラスカ個人旅行の情報が無くて困りました。ツアー情報はいっぱい出てくるんですけどね。
と言う事で、今回は実際に自分が行った経験をもとに冬のアラスカでオーロラを見たいバックパッカー向けの、個人旅行の方法を紹介します。
目次
- 個人旅行(バックパッカースタイル)で真冬のアラスカのオーロラは見れるのか?
- アラスカでオーロラを見る個人旅行の方法4通り
- 冬のアンカレッジ―フェアバンクス間の移動方法
- 真冬のアラスカ鉄道(Alaska Railroad)の乗り方
- アンカレッジの市バスを活用しよう
- フェアバンクスの市バス(MACSバス)を活用しよう
- バスを活用してオーロラの見える民泊に泊まろう
- 少しでも楽にオーロラ待ちするために
- その他ボクが事前に気になった事など
- 個人で真冬のアラスカにオーロラを見に行った結果!
アラスカでオーロラを見る個人旅行の方法4通り
まず前提として、アラスカのフェアバンクス郊外にオーロラを見に行くものとします。
めちゃくちゃオーロラが出ている時は、街中だろうがなんだろうが見えるらしいのですが、そこまでバンバンオーロラが出る日は稀なので、時間が限られている旅行者は少しでも見れる確率が上がるよう、オーロラ鑑賞は街の明かりを避けて郊外で行うのが基本のようです。
その前提で、4通りの個人旅行方法は以下の通り。
- オーロラ鑑賞を目的とした郊外の高級ホテルに宿泊(ホテルからの送迎がある)
- オーロラ鑑賞を目的とした郊外の安価~中級ホテルを予約し自力(レンタカー)で移動
- フェアバンクス市内のバックパッカー宿に泊まり、別途オーロラ鑑賞ツアーに参加
- 自力(市バス)で移動し、フェアバンクスからノースポールの間にある宿(民泊など)に宿泊
1から順に概要を説明していきます。
1.オーロラ鑑賞を目的とした郊外の高級ホテルに宿泊
- 宿泊費:250~450ドル/1泊
- 車の運転:不要
- お気楽度:★★★★★(5段階中5)
もっとも楽な個人旅行の方法です。
日本人向けのチナ温泉リゾートを個人で予約するのもこれに当たります。もちろん日本人向けでない宿も多く存在します。
このクラスの宿だとたいてい空港からの送迎付きで、オーロラ鑑賞は部屋から行う事が前提のため、移動の心配をする必要がありません。
ツアーよりは若干安く、それでも個人旅行にしては最もお金がかかる手段ですが、そのぶん何も心配する事がありません。オーロラ鑑賞に全力をかけられる事でしょう。
2.オーロラ鑑賞を目的とした郊外の安価~中級ホテルを予約し自力(レンタカー)で移動
- 宿泊費:70~200ドル/1泊
- 車の運転:要
- お気楽度:★★★☆☆(5段階中3)
Booking.comなどのホテル検索サイトでフェアバンクス(Fairbanks)もしくは隣町のノースポール(North Pole)を検索すると、1泊あたり70ドルくらいからの、オーロラ鑑賞を目的とした宿が見つかります。
この手段で問題となるのが、このクラスの宿だと送迎が付いていない事。空港までの送迎は(有料で)してもらえたとしても、日中に街中まで行く足がありません。高級ホテルと違ってホテル内にレストランがあるわけでもないので、滞在中に確実に街中に行きたくなるでしょう。
なのでこの手段だとレンタカーが必須。当たり前ですが冬のアラスカだと雪道を走る事になるので、雪道の運転に慣れている事が求められます。
車の運転さえ問題無ければ、ほどほどの滞在費で最も自由に動き回れる方法です。
3.フェアバンクス市内のバックパッカー宿に泊まり、別途オーロラ鑑賞ツアーに参加
- 宿泊費:30~40ドル/1泊
- 車の運転:不要
- お気楽度:★☆☆☆☆(5段階中1)
フェアバンクスの街近くにはバックパッカー宿が3軒ほどあります。バックパッカー宿自体はオーロラ鑑賞が前提の建物ではないため、窓が小さかったり、周囲が明るかったりとオーロラ鑑賞にはあまり適しません。
そのため、オーロラを見ようと思ったらオーロラ鑑賞ツアーに参加するのがベターとなります。1回あたり100ドルくらいからあり、夜~未明くらいまでのツアーです。
この手段の欠点は、ツアーに申し込んでしまうと、とてもじゃないけどオーロラが見えるような天気でない日でもツアーに参加せざるを得ない事です。宿から見れる場合、無理そうな夜は諦めて寝てしまえますからね。
ボクは(移動前の前泊目的で)1泊だけバックパッカー宿に泊まりましたが、一面の曇天の夜なのに同室の旅行者はツアーに出かけて行って「ご苦労なことだなぁ」と思いました。
運良く1,2回のツアー参加でオーロラが見えれば万々歳ですが、そうでない場合はツアー費がどんどんかさんでいくし体力的にもキツイ。まるでオススメしない手段です。
4.自力(市バス)で移動し、フェアバンクスからノースポールの間にある宿(民泊など)に宿泊
- 宿泊費:20~80ドル/1泊
- 車の運転:不要
- お気楽度:★★★☆☆(5段階中3)
実は1~3の手段はけっこう情報が出て来るのですが、そしてボクが選んだ「他の旅行者の情報が出てこない手段」がこれです。
フェアバンクスには、通年ずっと同じスケジュールで運行している市バス(詳細は後述)があり、それを最大限利用して旅行しようと言うものです。
市バスを使うと空港⇔フェアバンクス市内の移動、フェアバンクス⇔ノースポールの移動などが可能です。
フェアバンクスからノースポールに至る道の沿道には小さい集落が点在しており、街中よりも明かりが少ないので、中級~高級オーロラ鑑賞ホテルの一部もこの地域に建っています。これらの集落の中に民泊をやっている家があり、Airbnbなどで検索すると20ドルくらいから宿が見つかります。
この手段で最も肝となるのが民泊選び。「室内からオーロラ見えます!」とうたっている民泊も複数ありますが、そうでない民泊だとオーロラが見えるとは限りません。
オーロラが見えるかどうかは宿選びの力量と運にかかっていますが、トータルコストで見ると4つの手段でもっとも安く滞在・オーロラ鑑賞が可能です。
以上、4つの手段を紹介しましたが、結局のところボクは手段4しかやっていない(し、最もネット情報が不足している手段でもある)ので、次の項からは手段4について詳しく説明していきます。
冬のアンカレッジ―フェアバンクス間の移動方法
フル個人旅行を考えた時、一番気になるのが都市間の移動。オーロラだけが目的ならフェアバンクス発着でも良いんですけど、せっかくならアンカレッジにも寄りたいでしょうし。と言う事でまずは多くの人が探すであろうアンカレッジ⇔フェアバンクス間の移動方法の比較・紹介です。
飛行機
- 片道料金:60ドル~
- 所要時間:1時間
- 運行頻度:6便/日~
最も安くて速くてオススメの方法です。
飛行機というと旅情がイマイチなようにも思えますが、明るい時間帯の便で天気が良ければ、広大なアラスカの大地を上空から楽しむ事が出来ます。
アンカレッジ⇔フェアバンクス間に関しては、飛行機のデメリットが思いつきません。
長距離バス
- 片道料金:160ドル
- 所要時間:12時間程度
- 運行頻度:各方向3便/週(月水金)
冬はどうもアンカレッジ⇔フェアバンクス間の直行バスは出ていないようですが、1回乗り継ぎであれば通年運行のバスが出ています。
アンカレッジ発は朝5時55分、フェアバンクス発は朝8時30分発。いずれもトック(Tok)と言う町で乗り継いでフェアバンクス/アンカレッジに向かいます。
↓バスの運行案内(2020年2月時点)
冬のアラスカ鉄道よりは安く便数も多いですが、鉄道のようなゆったり感は無いと思われる(乗ってないのであくまでも予想)ので、正直バスに乗るくらいなら飛行機の方が安くて速くて良いんじゃないかな、と言う気がします。
メリットは、これもあくまで予想ですが、アラスカの主要道は除雪がしっかりしているので、天候が悪くても鉄道よりは遅れるリスクが低いと思います。実際、鉄道が止まった日でも代替のバスは問題無く走りました。
バスにしか無い魅力は、途中のローカルな町にも停まる事でしょう。これだけは飛行機でも鉄道でも見れません。お金も時間も余裕があれば、バスに乗ってみても良いんじゃないかなと思います。
アラスカ鉄道(Alaska Railroad)
- 片道料金:216ドル
- 所要時間:11時間半
- 運行頻度:各方向1便/週(土or日)
最も値段が高くて優雅な移動方法です。
アラスカ鉄道は現在はほぼ観光鉄道になっており、移動するというよりは景色を楽しみながらのんびり過ごす為の乗り物です。
ボクは片道(フェアバンクス→アンカレッジ)だけアラスカ鉄道に乗りましたが、正直あまりオススメはできませんでした・・・。いえ、良い鉄道ではあるんですけどね。理由は2つあります。
1つめ、冬季のアラスカ鉄道は週に各方向1便ずつしか出ておらず不便です。土曜日にアンカレッジ→フェアバンクス、日曜日にフェアバンクス→アンカレッジと言う運行。たまたま旅行のスケジュールに合えば良いですが、わざわざ合わせるのは手間です。
また、日曜日は後述するフェアバンクスの市バスが休業のため、日曜日の朝から駅まで行く手段を考えないといけないのも面倒です。
2つめ、雪が深いと大幅に遅れたり止まったりします。ボクがまさにこうなってしまったのですが、雪が深すぎて鉄道が途中で止まってしまい、結局代替のバスで移動する事になりました。
最終的にアンカレッジには到着しましたが、到着は大幅に遅れて23時半でした(本来は20時着)。乗客の中には「今夜の飛行機に乗り遅れる!」と言っている人もいました。あと天気悪すぎて景色も楽しめませんでしたし。
と言うことで冬のアラスカ鉄道はまるでオススメできませんが、せっかく乗ったので次の項に乗り方を書いておきます。
真冬のアラスカ鉄道(Alaska Railroad)の乗り方
前項でさんざんデメリットを述べた通り、冬のアラスカ鉄道はまるでオススメできませんが、せっかく乗ったので乗り方を書いておきます。
予約はネット
こちらのアラスカ鉄道公式HPからオンラインチケットを購入する事が出来ます。
なお、真冬のアラスカ鉄道は、路線は「Aurora Winter Train」のみ。席は普通席しか購入できません。冬以外のシーズンは路線も便もいろいろあり、席のランクも選べるようになるみたいです。
アンカレッジ駅の場所
アンカレッジ駅(Anchorage Depot)はここ。
ダウンタウンから300メートルほどのアクセスしやすい場所にありますが、駅舎がダウンタウンよりかなり低い場所にあるので、足元に注意して下さい。特に朝晩は駅に至る階段や坂道がカチンカチンに凍ります。ボクは危うく転倒するところでした。
フェアバンクス駅の場所
フェアバンクス駅(Fairbanks Depot)はここ。
フェアバンクス駅からダウンタウンに行く市バス(Red Line)の最寄りバス停はここ。ダウンタウンと逆向きに行く場合は道の向かいのBlue Lineの乗り場から。
ですが、前述の通りフェアバンクスの市バスは日曜日は運行していないため、フェアバンクスから鉄道に乗る場合はタクシーもしくは徒歩で駅へ行かなければなりません。ボクは宿から4kmほどを歩いて駅に行きましたが、しっかり除雪されていたので思ってたよりは歩けました。
アラスカ鉄道の乗り方(当日)
オンラインで買った鉄道のチケットには、「出発1時間前には駅に来てチェックインするように」と書かれています。
ボクは8時半出発の便に対して、7時にフェアバンクス駅に到着しました。7時の時点でフェアバンクス駅は開いており、すぐにチェックインする事が出来ました。
チェックインするとチケットをもらえます。チェックイン時は、オンラインチケット予約時に入力した身分証(パスポート)が必須です。
チェックイン時には、飛行機と同じように大きい荷物を預ける事が出来ます。ボクは26kg程度のザックを1つ預けましたが、追加料金などは発生しませんでした。
ただし、真冬(2月)のアラスカ鉄道はガラガラだったし、客車にも荷物置き場があったので、よっぽど巨大な規格外な荷物でなければ別に自分で車内に持ち込んでも邪魔にはならないと思います。
駅舎内は暖かく、土産物屋、トイレやジュース自販機もありますが、食べ物を販売している売店やカフェはありません。鉄道に乗車すると車内でサンドイッチや朝食(いずれも有料)を食べる事が出来ますが、乗車前に何か食べたい人は駅に来るまでに買っておきましょう。
土産物屋にはアラスカ鉄道のガイドブック(日本語版)もあります。5ドル。
アラスカ鉄道の歴史や、経路上にある見所などが解説されていて、暇つぶしにちょうど良いです。
アラスカ鉄道の車内とサービス
これは客車。ボクが乗った時(2月上旬)はあまりにも客が少なくて、客車は1両しか使っていませんでしたが、それでも3割くらいしか埋まっていませんでした。
こちらはカフェテリア&バー。
コーヒーや酒類、軽食を販売しています。コーヒーなどのソフトドリンク2~3ドル、アルコール類6~8ドル、ピザやサンドイッチなどの軽食6~9ドル、お菓子類2~3ドルです。
カフェテリアには、暇つぶしのボードゲームやジグソーパズルなどが置かれています。
どういうつもりか、ジェンガもありました。揺れる車内でジェンガ(ハードモード)に興じるのも楽しいんじゃないでしょうか。
こちらは食堂。食堂車は自由に入る事が出来ません。
時間(朝食・昼食・夕食)になるとまず客席にスタッフが来て、「今から食事をとるかどうか」を尋ねられます(この時は聞かれるだけ)。「食事をとる」と答えると、後で順番に呼ばれ、食堂車に案内される仕組みです。オーダーは食堂車に案内されてからします。
朝食は12~14ドル、昼食は12~16ドル、夕食は16~18ドル、夕食にはプラスで5~6ドルのサイドメニューを付ける事も出来ます。
ボクは夕食だけ取りました。量は少なめですが美味しかったので満足でした。
なお、ボクが乗った時は夕食時点で「雪による大幅な遅延」が確定していたので、お詫びとして無料で夕食を食べる事が出来ました。ありがてぇ、ありがてぇ・・・。
冬で乗客が少ないからか、ボクが乗った時は上記3両しか行き来出来ませんでした。乗客が少ないので1人1窓を確保出来ますし、特に不満はありませんでした。
アンカレッジの市バスを活用しよう
アンカレッジのダウンタウン及び周辺の移動は、通年運行している市バスが便利です。
主な路線と料金
アンカレッジ市内には2つの空港がありますが、いずれも市バスの経路に入っているため、空港からダウンタウンへの移動が非常に楽です。おそらく大半の便が発着するであろう国際空港(Ted Stevens Airport)からダウンタウンへは、平日は6時台から23時台まで、15分おきにバスが出ています。※40番バスと65番バス
料金は、1回の乗車でどこまで乗っても2ドル、1日乗車券が5ドルです。18歳以下と60歳以上は半額。バスカードもあるようですが、現金払い(乗車時にドライバーに支払い)も可能なので、旅行者でもすぐに乗れます。
運行スケジュール
平日はほぼどの路線も10~20分に1本出ていますが、土日は大幅に減便するので注意が必要。
1時間当たりの便数が減り、始発や最終便はそれぞれ3~5時間短縮されるので、全体で平日の1/3~1/4程度の便数になってしまいます。飛行機の発着が土日の場合は、事前に土日のダイヤを確認しましょう。
公式サイト
路線図やタイムテーブルなどの詳しい情報は、公式サイトをご覧下さい。⇒アンカレッジ市バス公式サイト(英語)
フェアバンクスの市バス(MACSバス)を活用しよう
フェアバンクスにも、通年運行している市バスがあります。MACSバスとも呼ばれています。移動する足を持たない個人旅行者にはこのバスが肝になります。
主な路線と料金
色で区別された8路線(Red,Blue,Green,Yellow,Brown,Grey,Orange,Purple)があり、このうちGreen Lineは隣町のノースポールとの間を行き来します。
個人でオーロラを見たい場合、このGreen Line沿いの民泊を予約すれば、高いロッジに泊まる必要は無く、またレンタカーなどを借りなくとも自力で移動できると言うわけです。
Yellow Lineはフェアバンクスの空港を通ります。途中でRed LineやBlue Lineに乗り換えれば、バスのみで空港からダウンタウンに移動する事が可能です。
料金は、1回の乗車で1.5ドル、1日乗車券が3ドルという驚きの低価格です。18歳以下は半額、5歳以下と60歳以上は無料です。バスカードなどは無く、全員現金払い(乗車時にドライバーに支払い)なので、旅行者でもすぐに乗れます。
運行スケジュール
便数は少なめです。
一番頻発しているBlueとRedでも30~45分おき、Greenだと1時間半~2時間おきです。更に、土曜日は減便、路線によっては運休。日曜日は全路線が運休してしまうので注意が必要です。
フェアバンクスのバスは、何も考えずにバス停に行ってしまうと長時間待つ事になってしまうため、事前に公式サイトにある各路線の時刻表をダウンロードしておくか、バス車内にあるパンフレット(公式サイトにあるPDFデータと同じ)を取っておき、時刻を確認しながら移動しましょう。
注意事項
フェアバンクスのバス停は、屋根すら無い事が多いです。※Transit Center及びUAF Wood Centerには暖房付きの待合室有り。
氷点下20度を下回る中で長時間待つのはツラ過ぎるので、計画的に移動しましょう。
バス停の看板が雪まみれで見つけにくいです。
ボクは空港最寄りのバス停をいきなり見落としました。
本来の看板はこんな外観です。
この縦長の形状が特徴。縦長の雪まみれの看板があったらバス停と思って良いでしょう。
また、乗降客が少ないので、降りる時は確実に「降車します」と意思表示しましょう。窓枠沿いに張られているワイヤーを引っ張ると、降車しますのランプが点きます。よく分からなければドライバーに声をかけても良いです。
バス停に乗客がいれば停まってくれますが、ほとんどのバス停は素通りしてしまいます。降りる意思をしっかり示しましょう。なおバス停以外では停まってくれません。
公式サイト
路線図やタイムテーブルなどの詳しい情報は、公式サイトをご覧下さい。⇒フェアバンクス市バス公式サイト(英語)
バスを活用してオーロラの見える民泊に泊まろう
今まで説明した通り、アンカレッジ~フェアバンクス間、およびフェアバンクスに着いてからの移動は、時刻表さえ気にしていれば真冬でも個人で十分移動できます。あとは肝心の宿泊施設。
ボクはAirbnbで、主に以下の条件で泊まる宿を選定しました。
条件①個室である事
オーロラを見ようと思うとどうしても深夜に着替えたり、出たり入ったりする必要があります。逆に、夜活動する事で日中静かに眠りたくなったりもします。
相部屋だと同室者に迷惑をかけるし、また自分も好きな時に安眠出来ないので、個室である事が必須です。
条件②市バス(Green Line)の沿線である事
雪が積もっているので、少々健脚に自信があっても徒歩で長距離歩くのはしんどいです。バス停から徒歩圏内(1km以内くらい)で選びましょう。
フェアバンクスの郊外を走る路線は、Green,Grey,Yellowがありますが、民泊の数が最も多いのがGreen Lineの沿線です。
条件③大きめの窓がとられている事、周囲が林でない事
部屋からオーロラの状況を目視するためには、寝室に大きめの窓がある事が必須です。
また、窓があっても家の周辺が林に覆われていて視界が無さそうな家もあります。Airbnb掲載の写真や、Googleストリートビューなどいろいろ駆使して、家や周辺の状況がオーロラ鑑賞に適しているかを確認しましょう。
条件④周辺が暗そうな事
市バス沿道が良いと言いましたが、国道沿いは街灯がけっこう眩しいです。大通りや大きな施設からは少し距離を取った方が良いです。
条件⑤キッチンが使える事
アラスカはとにかく物価が高い。安いものは市バスの運賃くらいなものです。
毎日外食なんかしているとお金がいくらあっても足りないので、自炊できるキッチンがある宿がベターです。
こう言った条件で民泊を探し、ボクは1泊45ドルくらいの宿に決めました。民泊自体は最安値で20ドルくらいからあります。
少しでも楽にオーロラ待ちするために
オーロラ予報を確認しよう
アラスカ大学フェアバンクス校(UAF:University of Alaska Fairbanks)のサイトで、アラスカのオーロラ予報を見る事が出来ます。⇒[外部リンク]UAF Aurora Forecast(英語)
向こう3週間くらいの予報が載っているので、スケジュール調整が可能であれば出来るだけ予報が良い日を狙いましょう。KP値が高いほどオーロラが見えやすいと言われています。
しかし、KP値が低くてもオーロラが見える事もあるらしいので、もうスケジュール調整がきかないのであればKP値が2とかでも諦めずに最善を尽くしましょう。
天気が良くて月がほどほどな日を選ぼう
オーロラ観測で一番大事なのは天気。いくらKP値が高かろうと周囲が観測に適していようと、一面の曇り空だったら何にもなりません。まぁボクがそうだったんですけどね!
また、満月であまりにも明るいとオーロラ観測の邪魔ですが、新月で暗すぎると写真が難しい(オーロラと地面で明度差が大き過ぎる)ので、月が明る過ぎず暗過ぎずくらいが丁度良いようです。
リアルタイムの天気はウェブカメラで確認できる!
アラスカをはじめ、世界各国のオーロラスポットには空を観測するWebカメラがあります。ボクはそれらをまとめたリンク集をブックマークしておきました。⇒[外部リンク]Aurora Borealis Notifications(英語)
例えばノースポールのWebカメラの映像。
曇りですねー。
ボクは夜2時間おきに起きて「曇り・・・。寝よ」(2時間後)「まだ曇り・・・寝よ」(2時間後)「まだ曇り・・・だけどちょっと外見てみるか」「雪降っとるやんけ!!!」って感じで、あまり外に出る事無く曇りである事を確認して寝直す事が出来ました。悲しいけど楽っちゃ楽。
実はボクは曇り空以外を見れていないので、オーロラが出たらWebカメラにどう映るかを知りません。見えるのかな。Webカメラはあくまで天候を確認するに留めた方が良いのかもしれません。
その他ボクが事前に気になった事など
真冬のアラスカと言うと、なんだかとてつもなくとてつもない場所のような気がして、行く前からいろいろ気になりますよね。上記で出てきた事以外で、ボクが事前に気になった事をまとめました。
レンタル防寒着とか必要?
真冬のフェアバンクスは氷点下20度を下回ります。ちなみにアンカレッジだとせいぜい氷点下10度前後です。
ボクは氷点下20度が未経験だったので「レンタル防寒着とか必要なのか?」などと不安で仕方無かったですが、結論から言うと長時間屋外でじっとしたり強風にさらされるアクティビティでもやらない限りはレンタル防寒着は不要です。
ボクは、上は薄手の長袖シャツ、ダウンジャケット、レインウェア。下はダウン地ズボン、レインウェア。足は冬山用靴下1枚と登山靴でした。30分ほど屋外にいると足先は冷たくなりましたが、足以外は全然平気でした。
て言うか、その辺を歩いている地元民はジーパン1枚だったりします。氷点下20度は、街歩き程度ならテキトーな服装でOKです。オーロラは基本屋内で待ち、出て来たら外に出るスタイルなら、防寒着をレンタルする必要はありません。ちょっと街歩きするぶんには日本の真冬装備くらいで大丈夫です。
街中って歩ける?
雪深くて歩けないんじゃないかと心配しましたが、フェアバンクスのダウンタウンは歩道もバッチリ除雪されていましすし、郊外でも住民の生活道路であれば広い幅でしっかり除雪されているので、さほど歩くのには苦労しませんでした。
また、真冬のフェアバンクスくらい気温が低いと、(雪が溶けないため)普通の靴で歩いてもあまり滑りません。フェアバンクスより少し暖かいアンカレッジは凍りまくり滑りまくりなので注意しないといけませんが。
室内って暖かい?
北国って室内はガンガンに暖房をかけて暑いくらいにするイメージでしたが、アラスカは全体的にそうでもなかったです。
「防寒着は脱がないと暑いけど、シャツ1枚だと寒い」くらいの感じです。室内用に薄手の羽織る物を1枚持っておいた方が良いです。空港なんかは防寒着を着てないと寒かったです。
日中やる事ある?
冬季は閉鎖する博物館もあり、日中やる事はそんなに多くはありません。
フェアバンクスなら、バスの1日券を使って全路線制覇するとか、
UAFの博物館に行ってみるとか(入場料16ドル)、
サンタクロースハウスでお土産を買うとか、
ワタリガラス(Raven)を探すとか、
巨大なウォルマートを探検しつくすとか。
ボクは探していませんが、ツアー会社に行けば何かしら日中にやるアクティビティがあるかもしれません。上記の暇つぶしは全て市バスで行ける範囲なので、日中ヒマでヒマで死にそうな人は参考にどうぞ。
アンカレッジは1日しか滞在しませんでしたが、川沿いのトレイルコースを歩くのが楽しかったです。
個人で真冬のアラスカにオーロラを見に行った結果!
と言う事で、ボクは至極バックパッカーらしい手段で真冬のアラスカにオーロラを見に行ったわけですが、3晩狙って3晩ともびっくりするほど一面の曇りもしくは降雪で、オーロラの気配すらしませんでした。
いくらあれこれ策を弄してみても、結局オーロラ観測の一番のネックは天気なので、最低でも1週間。可能であれば2,3週間は現地でじっくり待つ必要があると思いました。
ただ今回の滞在でアラスカの雰囲気は分かったし、アラスカ自体は非常に良い所だったので、また予算と時間に余裕がある状態で再訪したいです。
以上、「バックパッカーが個人で真冬のアラスカにオーロラを見に行く方法」でした!
コメント
貴重な情報ありがとうございます。
私も同じく民泊を利用しようと思っています。
しかし、ノースポール付近で安い物件を見つけられません。
利用された物件を教えていただけますでしょうか。
>>古庄啓起さん
情報、お役に立てて頂けましたら幸いです。
ぼくが利用した民泊をAirbnbの履歴から見てみましたが、残念ながら現在(ここ1,2年)はもう民泊をやっておられないようです。
全体的に、コロナ前とコロナ後では宿事情は大きく変わっている可能性が高いです…。