【アルバニア】首都ティラナでダイティ山とBunk’Artへ。かつてない迫力の博物館(2019年6月19日)

みらでぃた!

今回はアルバニアの首都ティラナのダイティ山とBunk’Artに行きました!

 



ティラナの山なんて完全にノーマークだったんですが、昨日チェックイン時に宿のオーナーにオススメされて気になったので、急遽行ってみる事に。そしてその近くに何やら気になる博物館があるので、ついでに寄るかな~と言う感じで予定を立てました。

暑くなると嫌なので早め行動。朝8時20分からお出かけ

完全に住宅地の中にある宿なので、住宅地を通って大通りを目指します。

まずは市バスでケーブルカー「Dajti Ekspres(ダイティエクスプレス)」の近くまで行きます。市バスはティラナ中心部のこのあたりから出発しています。

このピンの南側の道路にずらっとバスが集まっています。空港行きのバスとかもありました。

ケーブルカーへのバスはこんな感じの青いバス。バス番号「L.11」、行き先は「Porcelan」、道路の南側の車線に停まっていました。

 

運賃は40レク(≒40円)。乗車後、蛍光色のベストを着た集金係にお金を払うシステム。

 

走り出して約20分、スマホで地図を確認しながらこの場所で降りました。

後で地元の人に聞いた話だと、バスはこの先どこかで折り返して1本北の通りをティラナに戻っていくコースをたどるので、折り返すまで乗っていた方が近くまで行けるみたいです。と言ってもどこで折り返すのか分からないので、せっかちな人は降りて歩いた方が良いような気もします。

坂の多い住宅地です。

 

「Dajti Ekspres」の看板が出て来ました。

 

ケーブルカーの乗り場はここ。

 

手前にある建物がケーブルカー駅。奥に見えているのが多分ダイティ山

山見て登れそうなら歩いて登っても・・・なんて思っていましたが、かなり遠くて高そうです。標高差1,200メートルくらいあるんじゃない?

一応国立公園になっており登山も出来るみたいですが、街歩きの延長で登れるレベルではなさそうです。

 

ケーブルカーの料金は往復1,000レク(≒999円)もしくは8ユーロ(≒971円)

・・・なんでユーロ払いの方が微妙にお得なんや。

往復券を購入。

 

ケーブルカーはこんな感じで、グループごとに乗る小さな物。スキー場のリフトみたいに次々にやって来ます。

混雑していたらどうか知りませんけど、今日はガラガラでボクの前に1グループいるだけだったので、ボクはおひとり様でケーブルカーに乗車

乗ったら先客・・・何故か5Lの水が置かれていました。

まさか水5L持ってケーブルカーに乗ってしかも置き忘れる観光客はいないと思うので、おそらくケーブルカーの駅職員が水を送り込み、上の職員が回収し忘れて戻ってきてしまったんではないかと予想。

ケーブルカーの窓がけっこう汚いのであれですが、窓からの景色。

ダイティ山までは小さい山がいくつもポコポコあるので、歩くとかなり時間かかりそうですね。トレランならともかく、まともに荷物担いで歩くと日帰りがギリギリじゃないでしょうか。

こんな所にも人が住んでる。

ティラナは目と鼻の先なのに、こんなに山奥感があるのが不思議。

上のケーブルカー駅に到着。

 

ファミリーパーク感がすごいな・・・。

 

展望台かと思ったらホテルでした。宿泊客いるのかな。

 

パターゴルフのコース。

 

児童公園。

新しいし誰もいないし、ちょっと遊びたい衝動に駆られましたw

ビューポイント。うーん、ちょっとティラナが遠過ぎるw

それにしても肌寒い。ここは頂上では無いので標高1,000メートルくらいなんですが、それでも30℃超えのティラナとは全然気温が違います。もしかしたら真夏の週末なんかは、ティラナの住民の日帰り避暑地として人気なのかもしれません。

おぉ、日本でもよくある望遠鏡・・・

 

と思ったら本当に日本製でした。

注意書きも日本のままかよ!

望遠鏡の近くのベンチに座っていたら、家族連れの旅行客が望遠鏡を覗いて「これ壊れてんの?」と何故かボクに訊いて来たので、「お金が必要なんじゃない。知らんけど」と答えました。100レク硬貨もしくは1ユーロ硬貨入れたら使えてました。結果的に当たってたけどボクに訊くなや

西欧諸国によくある、南京錠をぶら下げる縁結び的なスポット・・・にしたいんであろうハート型のオブジェ。

まだ南京錠2個しか付いてなくて哀愁が漂っているので、どなたか南京錠付けに行ってあげて下さいw

しばらくうろうろしたり涼んだりしましたが、天気が怪しくなって来たので退散。

 

ケーブルカーのポスター。1台1台が荒ぶっててコワイ。

 

スカイスポーツもやってるようです。

 

帰りはメンテナンスかなんかで15分ほど待たされましたが、また同じルートをどんどこ下ります。

たまにはこう言う楽な山も良いよねー。

 

さて、次はケーブルカー駅の近くに気になる博物館があったのでそこへ行ってみる事に。その名も「Bunk’Art」

 

アルバニアの特殊な歴史を語る「Bunk’Art」とは

バンカー(Bunker)と言うのはいわゆる核防護シェルターなのですが、アルバニア国内にはそのバンカーがなんと70万個もあると言われています。

アルバニアで1944年から10年間首相を務めたエンヴェル・ホッジャ。この人は強烈な共産主義者で、大戦後のアルバニアを共産主義にし、またあらゆる宗教活動を禁止して「世界初の無神国家」にしたのもこの人です。首相だったのは10年間ですが、死没する1985年まで労働党第一書記としてアルバニアの政治に大きな影響を与え続けました。

エンヴェル・ホッジャはややパラノイア(妄想にこだわる精神病の1つ)の気があり、「いつか自国が核で攻撃される」と言う強い強迫観念があったようです。

そこで彼が急激に建設をしたのが核防護シェルターのバンカー。70万個建設した(未完成も含む)ってんだから、本人はかなり本気だったんでしょう。

で、これらのバンカーはほとんど使われる事無く、ホッジャの死と共に建設も中断し、アルバニア各地に今も埋もれているのですが、近年この特異なバンカーを活用しようと言う動きが出て来て2014年に博物館・美術館としてオープンしたのがここ、「Bunk’Art」です。

なお、ティラナのまた別の場所にも「Bunk’Art」が出来たので、ボクが今日行ったこの場所は「Bunk’Art”1″」と呼ばれる事もあります。

 

まず敷地への門(?)はこれ。

博物館の門じゃねぇ!(;゙゚’ω゚’):

下は未舗装路、どこから染み出しているのか、足元は水たまりだらけです。

車がすれ違えないくらいの幅、長さ100メートルくらいの細長いトンネル。これだけで博物館の常識を覆しに来ています。

トンネルを抜けた先の広場にある小さい小屋でチケット購入。500レク(≒499円)。

 

で、更に森の中を歩きます。

行けども行けども森です。なんかもう入る前から「すげぇなこれ」ってなります。

ようやく着きました。入り口です。

無骨で汚いコンクリートの壁に、カラフルな看板がすごいミスマッチ感を出しています。これだけで現代アートみたいです。

なんと、ここには電気が来ていないので発電機で自家発電しているらしいです。入り口に注意書きみたいなのがありました。

 

入口の横には安全弁と書かれた窓。

説明を読みそびれたんですけど、たぶん内部で爆発などが起きた時に外に爆風を逃がすための窓かと。内部が完全に密閉されているので、なんらかの原因で内圧が高まった場合、どこかに逃がさないと悲惨なので。危険物取扱施設なんかによくあります。

敷居が低い!!扉が厚い!!!

166cmのボクでもかがまないと通れません。扉は一番手前、右側に開いている扉の側面が見えてますが、厚いって言うかもうコンクリートブロックみたいです。

分厚い扉と小部屋を3つくらい?通り過ぎると・・・シャワー室

説明では「ここで化学汚染などを洗い流す」とあるんですが、見た感じ普通のシャワー。しかもアフリカの安宿にありそうな感じの。ここまですごい厳重だったのに、この唐突な粗末さは何でしょう。横にはやっぱりアフリカのバスルームを思い出す手洗い台がありました。

ここまではいわばバンカーの入口。ここからがバンカー内部です。

空気があきらかに外とは違います。ひんやりしっとりしていて、うっかり壁に触ると「ひたっ」とした冷たい感触がいつまでも手に残ります。

このバンカーが、他の70万個のバンカーとはあきらかに違う点。それはエンヴェル・ホッジャ始め政府の要人が入る事が想定されていたらしい事。そのため、そう言った人達用に整備された部屋がそのまま残されています。

今までこういう「内装が当時のまま~」って博物館は数えきれないくらい見ましたが、ここは格が違う。ここの部屋部屋には頭を殴られるくらいの勢いで圧倒されました。

なんて言うか、匂いがすごいんですよ。カベの塗料、絨毯の布、家具の木材、そう言った物が、湿った空気の中で浅く呼吸していて、50年前の空気を吐き出し続けているような、そう言う匂い。

また、一部の部屋では戦争史を展示していて、そう言う意図なのか何なのか、空襲警報や人が走る足音が、狭い廊下の奥から響いて来て、何か追いつめられるような錯覚を覚えます。圧倒的なリアルさに不意打ちされてクラクラします。

アルバニア全土の地図や砲弾の構造図が貼られています。

政治家が滞在する想定なので、軍事的な指令拠点になる事も想定してたんでしょうね。

廊下になんかゴミ箱みたいなものが並んでるなと思ったら、中国製の空気清浄機(?)でした。

暗すぎて中身が見えませんが、箱の中はほぼ空洞みたいです。

“フィルター室”と言うのを見つけました。

あー、もしかしてさっきの空気清浄機はこれの吐き出し口・・・?外気を取り込んでフィルターに通し、空気を室内に送っているように見えます。

この辺は普通の展示室。戦時中の資料や、アルバニアの歴史の説明などが展示されています。

 

よく見ると、電気スイッチなどが全て防爆仕様(※)です。これは・・・これは萌える(*´Д`)

※日本でも爆発性雰囲気(危険物等が充満した状態の事)になる可能性がある施設で義務付けらていれる電気設備の仕様。よく「ガス漏れしても換気扇を付けるな」と言いますが、そう言う引火のきっかけになる火花が発生しないような構造の電気設備の事。

防爆スイッチも中国製。

おそらく共産圏から買う以外の選択肢が無かった事と、中国と密接な関係を築きたかったからだと思いますが、こんなの誰も読めないだろうに大丈夫か(;・ω・)

照明周りは配線がプラプラしてる(=防爆でない)ので、この辺は博物館にする時に増設なり配線し直すなりした物でしょうね。

 

展示と関係無いんですが、この辺の分電盤なんかもアツいです。ネット用語でいうとエモさMAXです。

既存の分電盤の上に、強引に新しくブレーカを設置してるのがまた良いですね!

ボク的に一番の山場は通信室でした。

 

モールス信号の通信機!

ちなみに音鳴らせます。

そして通信機の数々

ものの見事に全部中国製。ソ連から買うなどの選択肢は無かったんですかね。

1つ1つは詳しく分からないんですが、とにかくありとあらゆる通信手段を揃えているように見えます。どんな攻撃や状況にも対応できるように・・・って事でしょうね。

あと後半は現代美術の展示でした。「Bunk’Art」ですからね。美術館でもあるのです。立派なシアターや映像作品もありました。この辺もけっこう好きだったんですが、暗くて写りがいまいちだし、既に語って長くなりすぎたので割愛します。

このバンカーは全体で3千平方メートルあるそうですが、展示室として開放されているのは半分も無いくらいでした。

この先に行く事はできませんが、暗くて湿った廊下がまだずっと続いています。

 

外に出るとやっぱり森。

「タイムスリップしたみたいな~」なんて使い古された陳腐な表現だと思っていましたが、外に出た時のボクの感想はまさに「タイムスリップして現代に戻って来たみたいだ」でした。1時間ちょっとの間、湿った50年前の空気に包まれていたので、入る前はあんまり感じなかった森の匂いが新鮮で清々しく感じました。

 

ティラナに戻るバスは、往きに乗ったL.11バスの折り返し便を、このあたりで捕まえました。

グーグルマップにはバス停の表示が無いんですけど、このカフェの向かいあたりにバスマークの青看板が立っています。バスは頻発しているようです。

 

なんだかまだタイムスリップ感から抜けられずにぼんやりしたまま、ティラナの中心部に戻って来ました。

今日はまだもう1つ博物館に行こうかと思ってたんですけど、Bunk’Artが濃かったので頭が既にオーバーフロー状態です。今日はもう、明日のバスチケットを買って帰りましょう。

 

明日はアルバニアを出てコソボのプリズレンと言う町に移動します。どうやらティラナからプリズレンへのバスを出しているのは1社だけ。その唯一のバス会社「Tirana Metropol Agency」に来ました。


バスは1日2便。朝6時発と15時発。料金はどっちも同じで10ユーロ(≒1,214円)

明日の15時発の便を購入しました。

今日行く予定だった博物館は明日の午前中に行こう。

 

今日は昨日と同じ店で、昨日オーダー間違われて食べれなかったSufllaqe e Hapur。220レク(≒220円)。

「Hapur」はアルバニア語で「オープン」。つまり、プレートものと言うよりはサンドイッチをサンドせずに皿に盛ったイメージ。肉も野菜もたっぷり食べれて満足だぜーぇ(*´ω`)

帰り道、アイスを買うつもりで寄ったお菓子屋で、つい魔が差して買ってしまいました

 

じゃん。

 

どどーん!なんと100レク(≒100円)。コンビニスイーツも真っ青。

 

全然期待してないお味の方は、普通にうまい。途上国のチープなクリームじゃないです。ちゃんとケーキです。外側のチョココーティングもしっとり濃厚。

これ、採算どうなってるんだろう・・・。30円のアイスといい、アルバニアのスイーツやべぇ・・・。

 

さて、明日は午前中~昼は軽く博物館に行って、15時から移動。18時~19時くらいにはコソボのプリズレンに到着予定。では今回はこれにて(=’ω’)ノ

コメント

  1. Yukie より:

    100円チョコレートケーキが”choco”と主張してるのが可愛らしいですね。食べたくなりました!ちなみにどのぐらいの大きさだったのでしょうか。

    • wolt より:

      >>Yukieさん
      chocoってストレートですよねw
      直径は6cmくらいかなぁ。やや小さめで気軽に食べてしまえる大きさでした!