あっさらーむあらいくむ!
今回はチュニジアの世界遺産カルタゴ遺跡巡りをしました!
世界遺産カルタゴ遺跡とは
カルタゴ(Carthage)は紀元前8世紀、ティルス(現在のレバノン地中海沿いの都市)から来たフェニキア人が建設したと言われています。
カルタゴは独立した都市国家として海上交易で栄え、また陸はアフリカ北部の地中海沿岸(今のモロッコからエジプトまで)やマルタ島、イベリア半島なども支配下におき、紀元前6~5世紀頃には事実上「西地中海の覇者」となりました。
紀元前3~2世紀、ローマと100年以上にわたって度々戦争を繰り返したのち、カルタゴは破れてローマに征服されました。最終的に負けたとはいえ、あのローマと100年以上も戦争し続けたあたり、カルタゴの力も相当なものだったんでしょうね。
ローマはカルタゴの街を破壊しつくし市民も虐殺した後、カルタゴのあった場所に植民都市を建設。ローマはローマで違う街の名前を付けたそうですが、その後もこの街はカルタゴと呼ばれ続けたそうです。
このカルタゴ、現在もここに町があり、町中にはカルタゴ時代の遺跡やローマ時代の遺跡が点在しているため、これらを総称して「カルタゴ遺跡(Site of Carthage)」として世界遺産に登録されています。
黄金航路―チュニス
著作権元:株式会社アピリッツ出典:「黄金航路」「蒼海の武装商船」(いずれもサービス終了)
※黄金航路がよくわからない方は、こちらのページの真ん中あたりで説明していますのでご興味がありましたらご覧下さい。【リンク】はじめにご興味なければスルーして頂いても何ら支障はありません。
現在―チュニス
ゲーム内では港ではなく「要塞」と言う扱いでした。まぁ立地的に争いが絶えなそうですよね実際。
昨日はようやくありつけたまともな食事に浮かれすぎて、今朝食べる物を買うのを忘れていました。もうっドジっ子なんだからっ☆
ひっそりカフェでも営業していないかとあちこち覗きましたが、もう9時だと言うのにまだどこも営業していません。
ようやく屋外の・・・売店?みたいなのを見つけました。
椅子とテーブルが出ているので、本来はカフェなのかもしれません。
お菓子を2個買いました。各0.6ディナール(≒22円)。
お菓子よりも、左側の黒いものに注目。
にゃーんと相席。よく寝とる。
カルタゴ遺跡は、最初チュニスに降り立ったフェリーターミナルがあるラ・グレットの向こう側。この前無賃乗車してしまったのと同じ路線に乗ります。チュニス側の駅はここ。Tunis Marine駅。
今日はもちろんチケット購入。0.7ディナール(≒25円)でした。
ラ・グレットからチュニスまでは、前回0.25ディナール(≒9円)と言われたので、えらく金額差がありますね。距離的にはラ・グレットの1.6倍くらいのはずなんですけど。
イ○ドを思い出すボロさの電車。
20分くらいでカルタゴ遺跡地区の端、Carthage Salammbo(カルタージ・サランボ)駅に到着。
ちなみに、チケットを回収する駅員はいません。これじゃ、無賃乗車と言わないまでも、最安値の切符さえ買えばどこまでも行けるんじゃないか。やりませんけど。
駅を出てちょっと歩くと「Carthage」の看板が。
英語だと発音は“カルタージ”です。
カルタゴ遺跡共通チケット
さて、ここからはひたすらカルタゴ遺跡巡りです。カルタゴ遺跡はカルタゴ地区のあちこちに点在しているのですが、共通チケットを買えば対象の遺跡8つに入れます。対象の遺跡は以下の通り。「チケットの表記(Googlemap上の表記)/ボクが回った順」で表記。
- Amphitheatre(Amphitheatre de Carthage)/8
- Villas Romaines(Kobba Bent el Rey)/5
- Theatre Romain(Amphitheatre)/6
- Musee Paleochretien(Musee Paleochretien)/2
- Musee de Carthage(Musee national de Carthage)/7
- Tophet de Salambo(Salammbo Tophet)/1
- Thermes d’Antonin(アントニヌス浴場)/4
- Quartier Magon(Quartier Magon)/3
共通チケットの料金は、2019年5月時点で12ディナール(≒435円)でした。ボクは、共通チケットは1カ所目のTophet de Salamboで購入しましたが、おそらく対象の8つの遺跡ならどこででも購入できます。
8つの遺跡のマップは以下の通り。
長くなるので、ここからはまわった順にさらっと紹介する感じで行きます。
①Tophet de Salambo
フェニキア人が支配していたカルタゴ時代に使われていた宗教施設、と言うか聖地みたいな場所だったらしい。生贄と見られる子供の遺体が多数埋葬されていたんだとか。
率直に言うと「歴史的価値のあるガレキを出来るだけ綺麗に並べた」と言う感じ。
あんまりまとまった形で残っている物が無くて、ひたすら石が置かれています。敷地も狭いです。
②Musee Paleochretien
カルタゴの史跡を保存する目的でユネスコが建てたらしい博物館。
ここは閉まっていました。
臨時休業か何かかと思いましたが、柵の隙間から中を覗くと、一応何かの史跡らしき物は見えますが、雑草がぼうぼうと生い茂っていて、しばらく人の手が入っている様子がありませんでした。
2.5?発掘工事中の遺跡
住宅地を歩いていると、唐突に遺跡がありました。
出来たばかりのような新しい管理小屋はあるものの誰もおらず、敷地内は作業者3名がひたすら何かやっていました。最近発掘されて、近日オープン予定の遺跡なのかもしれません。。
③Quartier Magon
海沿いは開発がすすんでほとんど遺跡が残っていないのですが、その中で唯一海沿いにあるまとまった遺跡。カルタゴ時代の住居跡らしい。
広い原っぱに、建物の基礎だけがどーんと広がる遺跡。
ド素人が見るにはちょっとシブ過ぎてよくわからんです。
この遺跡の前から見る地中海が綺麗です。
④Thermes d’Antonin
ローマが造った、いわゆるローマ式公衆浴場(テルマエ)の遺跡。
8つの中では、ここが一番観光地っぽい遺跡。入口の前に仮装して記念撮影するコーナーや、土産物屋があります。
ツアー客も多かったです。
敷地内は公園みたいになっていて、遺跡が7,8個パラパラあります。
これは地下墓地への入口らしい。
ここの一番の目玉がこれ、アントニヌス浴場(Antonine Baths)。
こんな間取りの浴場だったそうです。
健康ランドもびっくりの複雑な間取り。ローマ式浴場はそれこそ現代のスーパー銭湯や健康ランドみたいな複合娯楽施設で、マッサージや飲食店、軽く運動する競技場まで付いてたそうです。
この健康ランド跡・・・じゃなくてアントニヌス浴場跡は中に入って散策も出来ます。
もうちょっと置く向きを考えてくれ。
この模様はレバノンのバールベックでよく見かけたやつです。
こんな離れた場所で同じ物を見るのは、なんだか不思議な感じ。
⑤Villas Romaines
ローマ支配下の頃の住居跡だそうです。
ここはけっこう建物の形が残ってる(復元されてる?)遺跡。
住居跡とだけあって遺跡自体は地味なんですが、少し丘の上にあるので遺跡と海が見下ろせます。
見どころはタイル画や、無造作に立てかけられた壁画でしょうか。
遺跡とは関係ないけど裏手にはモスク。
左から押すとパタンと潰れそうで心が休まらない休憩小屋。
あんまり人がいなくてのんびりできる遺跡です。
⑥Theatre Romain
2世紀頃に造られたらしいローマ劇場。
めちゃキレイに復元されたローマ劇場でした。
バッチリ舞台設備まであるし、現役でコンサートや地元のイベントに使ってそうな劇場。有効活用はしてるけど遺跡と言う感じでは無いです。
⑦Musee de Carthage
バルド国立博物館(2015年に銃乱射事件が起きた博物館)と並んで、チュニジアでは最大規模の博物館だそうです。
Museeと言うから博物館だけかと思いましたが、遺跡もありました。④Thermes d’Antoninの次に観光客が多かったです。
大聖堂が隣接しています。
この敷地内に博物館があるらしいのですが、探して歩き回っていると「博物館はクローズドだ」と言われてしまいました。
もしかして、テロを警戒してラマダン中は大きな博物館は閉めてるとか、そう言う事ですか?
⑧Amphitheatre
1~2世紀に建てられたと言うローマ劇場。なぜか、19世紀にキリスト教の殉教者をまつる礼拝堂と十字架をこのローマ劇場内に建てたらしい。
ここだけ少し内陸の離れた所にあります。幹線道路脇のちょっとゴミ臭い林の中にひっそり佇んでいました。
エル・ジェムの円形闘技場や、シラクサにあったローマ劇場に近い、楕円形のローマ劇場。座席部分は崩れ去って残っていません。
カルタゴの遺跡の中ではしっかり残ってる方だと思うんですが、立地が悪いせいか1人も観光客に会いませんでした。
よっしゃー8ヶ所回り切った!٩( ‘ω’ )و(謎の達成感)
共通チケットはこんな感じになりました。
1ヶ所は閉まっていて2ヶ所はチェックを付けてくれませんでした。いっそスタンプラリーみたいにしてくれれば楽しいのに。全部歩きで4,5時間くらいかかりました。
歩いて最寄り駅へ移動。今のカルタゴはのどかな田舎町って感じです。
駅に到着・・・しましたが、チケット売り場を覗いても誰もいませんでした。仕方ないのでそのままホームへ。
この路線、車両がボロイボロイと思っていたら、帰りの電車はドアが半開きのまま走り出してしまう車両でした。
マジでイ○ドの電車みたいです。
けっこう歩き疲れたので、チュニス中心部まで路面電車に乗りました。0.35ディナール(≒13円)。
路面電車は、半開き電車よりいくぶん新しそうな車両です。
宿近くのBarcelone駅に到着。ホームが人でごった返しています。
ちょっと歩行者が線路上を歩き過ぎな気もします。
今日は昨日よりちょっと早い時間帯なので、ローカル感のある食堂が開いていました。
魚プレート。15ディナール(≒543円)。
肉のプレートだと7~10ディナールだったんですけど、どんな魚が出て来るか気になって。
バゲットが付いてくるあたり、フランスの影響を感じます。
魚はクセのない白身魚でした。おいしい。
ちょっと地味だけどチュニジア料理のメシュイヤ。これは加熱したナスを潰してタマネギやネギ、スパイスとかいろいろ混ぜた物。ナス以外の野菜バージョンもあるらしい。味が濃いのでパンとかサラダと一緒に食べると良い感じ。
さて、明日はラマダン最後の金曜日でちょっと動きづらそうなので、チュニス市内をうろうろします。では今回はこれにて(=’ω’)ノ
コメント
見応えあります!遺跡は古代の人びとの血と汗で贖われていたと実感しますね。
>>ゆうさん
歩き応えも充分でしたよ~。歴史の知識があればもっと楽しめると思います。