あっさらーむあらいくむ!
今回はエジプトのシナイ山に登って来ました!
シナイ山(Mt.Sinai)とは
シナイ山は、エジプトのシナイ半島にある標高2,285メートルの山の事で、旧約聖書では預言者モーセが十戒を授かった山として描かれています。モーセって言うとあれですね、なんか海を割ったりした人ですね。
モーセはエジプトから紅海を渡ってシナイ山に登り(割った海が紅海かどうかと、旧約聖書中のシナイ山が今のシナイ山と同じかどうかは諸説ある)、シナイ山の頂上で神から十戒の書かれた石板をもらったらしいです。十戒と言うのは”偶像を造るな”とか”盗むな””殺すな”とかそんな感じのやつです。
要するに宗教的にけっこう大事な山なんですけど、ダハブから車で片道2時間で麓まで行けるので、ダハブからツアーが毎日頻発しており、観光客が気軽に登れる山にもなっているのです。
しかし、このダハブ発のシナイ山ツアー、なぜか夜出発のご来光ツアーばっかり。
いや、夜とか寒いし眠いし、ご来光とか別に期待してないし、暗いと途中の景色見えなくてヒマだし、普通に昼間登りたいんですけど。
しかし、目に付いたツアー会社4軒で昼出発のツアーについて尋ねてみましたが、どこにもありませんでした。と言うか、やっても良いけどYOU人数5人集めてきなYO!って感じです。いやいや無理ですよ。人見知りですから。クエストやる為に5人集めるとかオンラインゲーム内ですら出来ませんから。
と言う事で、昼登山はあっさりあきらめて、みんなと同じ夜出発のご来光ツアーに申し込みました。料金は250ポンド(≒1,519円)。
1月7日はマンガばっかり読んでました。昼飯にキング・チキンって店に行き、「1/4チキン」をオーダー。
あ、あれ・・・?ボクいつミャンマーに戻って来ましたっけ・・・?(;・ω・)
確かに1/4チキンと書かれたメニューには、カッコ書きで「ライス、サラダ、パン、スープ」って書かれてますけど、それならチキンと合わせて全部で5皿のはずじゃないですか。どこで9皿になったんですか。それ何てミャンマー。
一皿一皿も多いし、量がちょっとキツかったものの、この9皿で45ポンド(≒273円)でした。コスパ高い。
時間は飛んで夜22時。宿の前でピックアップを待ちます。
ピックアップは22時20分くらいにやって来ました。
車は座席が改造されたハイエース。アフリカでよくあるミニバスタイプの座席配置になっていましたが、シートはふかふかでした。そのままダハブ近辺で客を拾ったり、ガソリンを入れたりなどして、23時くらいにダハブを出発。
1時30分、シナイ山の麓の駐車場到着。よく寝た。
まだ車を降りてもいないのに、ポンチョや毛布などの防寒着を売りつける物売りが群がって来ていました。こういう押し付けて来る物売りはうっとうしいのでとても嫌いですが、こんな深夜によくやるよなぁと感心しました。
既に標高がダハブより1,500メートルばかり高いので、車を降りた途端、空気の冷たさで鼻がツンとしました。
駐車場から登山道の入り口に行くとゲートがあって、荷物検査がありました。深夜2時にしかも山でもテロ警戒。エジプトって大変だなぁ・・・。
同じ車に乗っていたツアー客9人全員の荷物検査を待って登山開始。時刻は1時45分。
車には乗っていなかったはずのガイドが、登山開始時点ではしっかり付いていました。ガイドはシナイ山近所の人みたいです。
夜登山してる図じゃないなコレ(;^ω^)
さすがにこの明るさと広さは最初の数百メートルだけでしたw
その後はヘッドライトの明かりだけで暗い道を登って行きます。
ダナキルの時もそうだったんですが、ツアー客の半分くらいが無灯火。持ってても何故か使わない人もいます。月が出ていないので本当に暗いんですけどね。なんなの?捻挫したいの?明かり乞食なの?
逆に明るすぎるライトを振り回す人もうっとうしいんですけどね。背後から明るすぎるライトで照らされると、自分の正面が自分の影で真っ暗になって、明暗差があり過ぎて全然見えなくなるんです。
宿にいた日本人旅行者からは、「ペースが遅すぎる&10分おきに休憩する」と聞いていて、「イライラしそうでやだなー」と思っていたんですが、ペースが遅いなんて事は全然無く、ガイドはツアー客9人のうち7人を常にぶっちぎって歩いていました。もちろんぶっちぎられてない2人のうち1人はボクです。もう1人は中年くらいの小柄な白人女性でした。
一方、休憩が多いと言うのは本当で、10分おきくらいに結構しっかりした山小屋があり、山小屋があるたびに休憩していました。
何回か休憩を挟むうちに、先程触れた小柄な白人女性とガイドが急接近しており、途中から手を繋いだり肩を抱いて登るようになっていました。ガイドお前どこの山登ってやがる。
山はほとんど緩やかな登りなんですが、最後だけ勾配が強めの石段になります。ガイドが「ここから頂上まで700段。約30分かかる。好きなペースで登って良い。最初に見えた山小屋で待っておくように」と白人女性の手を握ったまま言ったので、遠慮無く1人でスタスタ登りました。
あっと言う間に山小屋に着いてしまって、「え?早過ぎない?これまだ半分くらいじゃないの?」と逡巡しましたが、ガイドが「最初の山小屋」って4回くらい念を押していたのを思い出して、ダウンジャケットを着込んで待ってました。待ち合わせ山小屋はここで合ってました。ちょっと不完全燃焼感があります。
ご来光を見る場所はここから3分ほど歩いた場所らしいのですが、風が強いので5時30分までここで待機するとの事。今の時刻は4時30分。気温は0℃。
山頂付近では毛布のレンタルをやっていて、1枚50ポンド(≒301円)もするゴワゴワのレンタル毛布を、みんなこぞって借りていました。ボクはもちろん寝袋持参なので不要です。
1時間寝れるかと思って寝たら、40分くらいで起こされてしまいました。5時15分にご来光ポイントへ移動開始。でもこの40分の睡眠でだいぶスッキリしました。
ガイドが急かしただけあって、ご来光ポイントは最前線に陣取る事が出来ました。最前線と言う事は風当たりが強いと言う事なんですけどね。
風にさらされながら待っていると、徐々に明るくなって来ました。
なんか雲がすごい色になってる。
シナイ山の周りも山だらけなのが見えてきました。
何ですかあの寝袋マンは。
気持ちはわかる・・・わかるけども!
手前に寝袋マン、奥に毛布シスターズ。
山岳地帯に住む少数民族同士の邂逅場面みたいになってしまいました。
そして毛布シスターズの隣の岩には毛布マン。
毛布マンはなぜか大音量で陽気なアラビックな音楽をかけ始めました。良いから。そういう気遣いいらないから。
日の出は6時半のはずなんですが、雲が多いので日が見えたのは7時過ぎ。
もう周りのツアー客は半分くらい引返し始めています。ボクもここで引き返し。
暗い時はわかりませんでしたが、シナイ山の頂上には教会がありました。
もう少し教会の内外を見たかったですが、もう同じグループの人は全員行ってしまっているので、散策するヒマがありませんでした。
また700段を降ります。
シナイ山麓の教会が集合場所に決まっていたので、下りは自由に下る事が出来ました。とっとと下ります。
700段以降は、整備された緩やかな下り。
日が昇ると一気に暖かくなって来ました。
道のあちこちにはラクダがいます。
体力が無い人が乗る用のラクダなんですけど、道がラクダの糞だらけだし、ラクダがいるだけで臭いので、数を最小限に絞ってほしいです。
シナイ山。こんな山だったのね。
下りはずーっと蛇行している道が見えます。
これ、暑い時期は朝でも日光がツラいだろうな。
奇岩を通り過ぎて、
集合場所の教会に到着!
ツアーグループの中ではもちろんトップだし、ご来光ツアー全体の中でも1番乗りでした。
さて持って来たおやつでも食べよう・・・と座ったら、どこからともなくわらわらと野良ネコが出て来て、あっと言う間に両脚を占拠されました。
やっぱり脚の上に乗って来ようとしたけど、先客のネコにネコパンチで追い払われた3匹目がボクの左側に鎮座。
撮り損ねたけど右側に4匹目がいます。なぜこうなった。
食べ物を開封しようにも身動きが取れない・・・。そのうち他のツアー客がどんどん降りて来て、やっぱり食べ物を開封し始めたので、あっと言う間にネコたちは散って行きました。
9時半ごろ、ツアーのグループ全員が降りて来た所で、軽く教会の観光。
なんだかいわれのある木らしいけど、眠くて説明が頭に入って来ませんでした。
こちらの井戸もなんか説明があった気がするけど、まったく何も覚えていません。
撮影禁止の教会内部がなかなか見事と言うか、ちょっと変わっていました。高い天井から、香炉みたいな物が鎖で何十個もぶら下がっているのです。これは特に説明とか無かったですけど、説明されてもやっぱり覚えてなかったと思います。
首の角度が確信犯的なネコ。
この教会、内外がネコまみれなんですけど、誰かが世話してるんでしょうか。
あとは車でまたダハブに戻り、ダハブに到着したのは昼の12時半ごろ。そんな感じでシナイ山登山ツアーは終了しました。
シナイ山は往復で11.776km、累積標高は791メートル登って降りてくる感じの山でした。
適当にローカルな昼食。
パン以外ぜんぶ塩辛かったです。おわり。
エジプトの食べ物は塩辛い物が多いような気がします。だってシナイ山に持って行った塩ピーナッツ、塩の塊がピーナッツにゴリゴリ付着してましたもん。”塩ピー”の”塩”と”ピー”って全然対等な関係じゃないはずなのに、“柿ピー”の”柿”と”ピー”くらいの対等感ありましたもん。山で食べるには良かったけど、普段こんなん食べてたら血圧爆上がりじゃないでしょうか。
これでダハブ滞在唯一のイベント終了です。まぁやっぱり、冬のシナイ山は普通に昼間登りたいです。夜は眠いし寒いし何も見えないし。
あと2日ずるずると過ごして、10日の夜のバスでまたカイロに戻ります。では今回はこれにて(=’ω’)ノ
コメント
3週間程前に見つけて、出発から読んでやっと追いつきました。
ちゃんとした日本語で魅力的な文章の世界一周ブログは数少ないから、そろ日和に出会えて嬉しい。
後から旅する人への配慮もあるし、Webの階層構造も良く考えてあるし。
長旅の敵は好奇心の摩耗かと思います。病気にも気を付けてくださいね。
これからも臨場感あふれる素敵ながんばらないブログを期待しています。
>>AZさん
なんと、出発から!遠路はるばるありがとうございますm(_ _)m
好奇心の摩耗、確かに大敵ですね~。ヨーロッパあたりで対峙しそうな敵ですw
ブログも旅行も、うまいこと空気抜きながら続けて行きます~。
ログボさんがついてるからたぶん大丈夫(`・ω・´)キリッ
ほう・・・キレッキレのコメントお待ちしております(ΦωΦ)+
明け方のシナイ山 その辺にチャールトンヘストン立ってそう
厳かな感じがして昼間よりいいのでは?
>>砂かけさん
映画ですよね~。ツイッターで他の方からも言われました。見てみたいです。
単純に写真写りで言ったら朝の方が良いのかもですが、そのために寝袋やら防寒着やらを担いで、しかも睡眠2~3時間(車の移動+頂上近く)で眠い中登ると言うのが、煩わしくて仕方ないです・・・。