鉄道を使ってタイとマレーシアの国境越えをする人は多いと思いますが、今回はタイバンコクからマレーシアのタマンヌガラ国立公園へ鉄道とバスで移動したので、その時のレポートをまとめます。
タイとマレーシアを結ぶ2つの路線
タイとマレーシアを結ぶ路線をざっくり現したのが下の図です。タイのバンコクを起点とした南本線(図中青線)はタイのハジャイ(HatYai)駅から南本線(図中青線)とハジャイ―パダンブサール支線(図中赤線)の2本に分かれ、それぞれ国境でマレー鉄道の西海岸線(図中オレンジ線)と東海岸線(図中水色線)に連絡します。一見、タイ国鉄側から見ると南本線がメインのようですが、実際はマレー鉄道側でクアラルンプールや主要観光地のペナン島近くを通過する、ハジャイでハジャイ―パダンブサール支線に乗り換え、マレー鉄道西海岸線に乗り換えるのが旅行者の間では圧倒的に主流になっています。実際、ボクは南本線の最後まで乗っていましたが、ハジャイとその後の主要駅でほとんど乗客は降りてしまい、最後の1時間は同じ車両に一般乗客2組と、いつの間にか乗って来た長銃を抱えた兵士3名しかいませんでした。
バンコクからタマンヌガラ国立公園へ行くには
上の図を見て頂ければ気付くと思うのですが、主要路線であるマレー鉄道西海岸線を使った場合、タマンヌガラの近くを通りません。クアラルンプールからタマンヌガラ国立公園へはバスが出ているようなので、行けないことは無いのですがせっかくクアラルンプールまで来てまた250km戻ると言うのもなんだか癪です。東海岸線には、タマンヌガラ国立公園最寄り駅ジェラントゥート(Jerantut)駅があります(最寄っていても60kmありますが)。なんだかんだでクアラルンプールまで行ってツアーバスにでも乗る方が効率が良さそうですが、せっかく北側から陸路で入るんだから!という事で、今回は東海岸線を使ってタマンヌガラ国立公園を目指すことにしました。
どちらの路線も国境直通は無い
昔は直通で国境を越えられる便があったようですが、2017年5月現在直通で国境を越えられる便はありません。ハジャイ―パダンブサール支線⇔西海岸線は、いったん降車してイミグレーションを通過し、列車を乗り換えるだけでOKなようです。こちらはブログに書いている人も多いですし、ボクは利用していないので省きます。ボクが利用した南本線⇔東海岸線は、もう国境間は線路があるだけで列車の行き来は無く、タイ鉄道国境最寄り駅のスンガイコーロック駅から、マレー鉄道国境最寄り駅のパシル・マス(PasirMas)駅までは自力で移動しなければなりません。
実際に行ってみた①バンコクからスンガイコーロック
列車のチケットは当日買う事が多いボクは、予約もナシでとりあえずバンコク駅(正式名称:フワランポーン駅)へ。朝10時頃に駅の窓口で言ってみた所、次の便(13:00発)の寝台はもう満席、座席タイプも残り2席の状態。次の次の便(15:10発)はなんとか寝台が3席空いており、15:10発のチケットをゲットしました。なお、バンコクから南本線国境のスンガイコーロック(SuNgaiKolok)駅まで行ける列車は、2017年5月時点で1日2便しかありません。つまり、15:10発のチケットが買えなければこの日は移動できなかったという事です。需要に対してギリギリの本数しか運行していないようですので、できればチケットは事前に予約を取っておいた方が良いと思います。列車は出発の20分前くらいには乗車できます。改札向かって左手の上方に電光掲示板があります。乗りたい便が点滅しだしたら乗車可能みたいです。スンガイコーロック駅までは約20時間、とりあえず乗るだけです。15:10発の便は翌日の11:20着予定でしたが、実際の到着は遅れて12:30頃でした。スンガイコーロック駅が終点なので、寝過ごす心配はありません。停車するとすぐに清掃のおばさんが入って来ます。
実際に行ってみた②スンガイコーロックから国境越え
スンガイコーロック駅を出て、まずはイミグレーションを目指します。スンガイコーロック駅の南側、出てすぐの大通りを国境の方角(東方向)へ歩いて行けばイミグレーションに到着します。1kmもないくらいです。ボクは残念ながら探さなかったのであるのか無いのかわかりませんが、、もし駅の近くに両替できる所があればここで済ませて下さい。マレーシア側には見当たりませんでした。タイ側のイミグレーションはとても簡単に通過できます。順番待ちがちょっとありましたが、他の国境よりよほど空いています。出国カードを書いておきましょう。マレーシア側へのイミグレーションへは歩きです。道の左側を歩いて行くと、道路を横断せずに済みます。歩行者のイラストが描かれた表示があるので、それに従って進みます。マレーシア側の入国カードは必要ありませんでした。こちらの手続きも非常に簡単に終わります。
実際に行ってみた③国境からパシル・マスへ
※マレーシアはタイの+1時間の時差がありますので、ここで時刻を補正して下さい。マレーシア側のイミグレーションを出るとすぐに町が広がっています。イミグレーションを出て道の左側をそのまま歩くとすぐに、オシャレな屋根付きの歩道になります。↓この写真の左側がバス停です。パシル・マス行きのバスも、近隣の他の町へのバスもここから出ているようです。パシル・マス行きは直線部の一番奥です。途中で左に折れますが、この左に折れる手前がパシル・マス行きバス停です。↓パシル・マス行きバス停から見た景色バス停には行き先の表示も一切ありませんので、周囲の人に訊いて行き先を確認するようにして下さい。どれだけの頻度でバスがでているかわかりませんが、ボクは40分待ちました。バスは前乗り、前払い制です。パシル・マスへは5.1リンギットでした。払うとレシートがもらえます。バスに乗ってしまえば、30分程度でパシル・マス駅に到着します。日本と同じく、降りる際は席の近くにあるブザーを鳴らすようですが、パシル・マス駅は降りる人が多いので、押さなくても大丈夫だとは思います。パシル・マス駅外観
実際に行ってみた④パシル・マス駅からジェラントゥート駅へ
2017年5月時点で、この東海岸線の長距離便は1日に上下線各1便ずつしか運行していません。各駅停車は上下3本ずつあるようですが、ジェラントゥートよりも手前が終点です。要するにジェラントゥートに行ける便は1日1本、18:34発の便しかありません。ジェラントゥートへは深夜2:20着です。ここも予約ナシで突撃しましたが、幸い座席シートを買う事が出来ました。寝台はいっぱいでした。座席もほぼ満席だったので、こちらもできれば予約して行った方が良いと思います。また、マレーリンギットを持っていない人は駅を出て道の反対側、バスが来た方角へ少し戻った所に銀行があり、デビットカードが使えるATMがありますので、ここでおろすことができます。両替も可能だと思います。なお、ボクはジェラントゥート行きのチケットを買った時点で16時前(マレーシア時間)でした。バンコク発の列車が遅い方の便でも、パシルマスでのジェラントゥート行きの列車には十分間に合います。あとは乗車時間になったら乗るだけです。待合室も余裕がありますし、改札などはなく、ホームで待つ事も可能ですので、ホームで待っていても良いです。あとは寝過ごさないようジェラントゥートで降りて下さい。ボクの時は15分遅れ程度で到着しました。車内アナウンスなどはありませんので、周囲の人に確認するか地図アプリで確認して降りて下さい。
実際に行ってみた⑤ジェラントゥートからタマンヌガラ国立公園へ
このルートだと、ジェラントゥートへは深夜2時20分に到着してしまいます。ありがたいことにジェラントゥート駅は、1日3便しか到着しない列車の内、この1本の深夜便を適正に運行するべく深夜でもがっつり駅員がいますし、ホームの照明も全部ついていて眩しいくらいです。また、駅前にはこの時間の便を狙ったタクシーも待ち構えています。おそらく金額は張るでしょうが、ホテルなどを先に予約しておけば移動する事は可能です。ボクはホテルの予約もしていないし、お金もかけたくないので朝6時まで駅のホームで寝ました。ホームの照明に群がって来る巨大なハエのような虫が頭上や周囲を飛び回るので、苦手な人は心して下さい。タマンヌガラ行きローカルバスの始発は7時くらいです。バス停は駅から徒歩5分ほどの所にありますので、適当な時間に駅を出ましょう。バス停の位置はこちら。駅から距離は近いですが、場所が若干わかりにくいので、早めに駅を出た方が良いです。途中に朝早くから開いているオープンカフェやセブンイレブンがありますので、時間に余裕をもって朝食でも取ると良いと思います。バス停は6時半ごろから人が集まり出し、チケット売り場なんかが開き始めます。/br>呼ばれなかったら確実に置いて行かれるところでした。また、タイの乗り合いタクシーや中東のローカルバスのように人が集まるまで待つものでもないようです。バスは乗客がボク1人のまま出発しました。料金はバスに乗ってから、添乗員が回収しに来ます。料金は7リンギットでした。払うと帳票のようなものがもらえます。バス停に来る途中で話しかけてきたタクシードライバーは10リンギットを提示してきたので、このくらいの差額ならタクシーでも良いかなと思いました。せまくてぐねぐねした山道を1時間20分ほど走るとタマンヌガラ国立公園の入口、クアラ・タハンに到着します。
最後に注意!
これはどの線を使っても同じですがタイ南部の国境付近は2017年5月時点、外務省の海外安全情報では危険レベル3「渡航中止勧告」になっています。2012年にはタイ国鉄の南本線で線路が爆破されて死傷者が出る時間も起きています。タイの鉄道は地元民・旅行者共に利用者が多いとは言え、利用する前は十分情報収集をし、自己責任で利用して下さい。以上、バンコクからタマンヌガラ国立公園への鉄道移動まとめでした!このルートだと、タイのバンコクからクアラ・タハンまで、最短でも41時間ほどかかります。大半は乗り物に乗る時間と待つ時間なのでけっこう心身ともに疲れますが、もし同じルートを考えている人がいたら参考にして下さい!
コメント
(´・ω・`)だね
(1)タイ南部3県(ナラティワート県,ヤラー県,パッタニー県及びソンクラー県の一部(ジャナ郡,テーパー郡及びサバヨーイ郡))
:「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。」
ア 南部地域にはタイからの分離独立運動を標榜するイスラム系武装集団が存在し,主にナラティワート県,ヤラー県及びパッタニー県に拠点を設けて活動を続けています。これまでに同集団によるとみられる襲撃,爆発事件が続発しており,死傷者は,軍・警察関係者,教員を含む公務員やその他一般市民,外国人まで広く及んでいるほか,仏教徒のみならずイスラム教徒も被害に遭っています。2004年から2013年までに5,352人が殺害され,9,965人が負傷しています。
>>ログボさん
そうそうそれそれ。
でも、危険レベル2,3の地域に旅行したこともある身で言うと、同じレベルでも街によって治安(雰囲気?)の差はすごく大きいんですよね。
逆に、全然危険レベル低い場所でもめちゃめちゃ治安悪い街もあります。
結局外務省の人がその街に住んでるわけじゃないので、「目立った犯罪や組織的な犯罪が最近起きてるかどうか」でしか危険レベルを決めれてないわけです。仕方ないと言えばそうですが。
レベル3以下は、最近の犯罪発生状況と情勢を調べた上で、自己責任で判断して、十分旅行は可能かなーと思っています。
あと、やっぱり何か起きる場所って言うのは独特の雰囲気があります。
「危険情報が出てないのに危険な街」と言うのも数多く存在するので、大事なのは街の雰囲気を感じ取るセンスを磨くことかなと思っています。
外務省が警告出してるのはテロや拉致とかの
政治的な犯罪(特にイスラム国関係)の多い地域で、
引ったくりや強姦とかの私的な犯罪の多い地域とは別ってことですかね?
ちなみに僕、英語の発音の聞き取りは苦手です(´・ω・`)
>>ログボさん
その通りだと思います!
私的な犯罪を全く見ていないわけじゃないと思いますが、実際の治安とはかなり乖離があるなぁというのが実感です。
記録も情報もしっかり残る政治事件>>(多すぎたりして)検挙しきれない私的犯罪
の優先順位ができてしまうのは仕方ないんだろうなと。
ボクも英語の成績は悪かったです(›´ω`‹ )
去年姪っ子の応援でリオ行ったけど、日本で報道してるほど治安は悪くなかったぞ~
1人でスーパーに買い出しに行ったりしてたし^^
パスポートとお金取られた学生もいたけど、それは自業自得って感じかな
まぁ~やっぱやばそうと思ったらすぐに離れる事だな^^
これからも気を付けて旅行続けてください
>>師匠さん
地域や時間帯にもよりますし、わからないですよね~
パスポートとお金はヤバいですね・・・学生さんには良い勉強か(^^;
ご心配ありがとうございます!!
マレー鉄道懐かしいな~
たぶん西海岸線だったと思うが、タイ国境の町をAM2:00発→クアラルンプールまで立って乗った記憶しかないけどwww
>>甕智彦さん
立って乗った!?Σ(‘∀’;ノ)ノ
むちゃしますな~