あっさらーむあらいくむ!
今回は世界遺産シンゲッティの町を散策しました!
世界遺産の町シンゲッティとは
モーリタニアの北西部には、中世は交易の要所として栄え、今でも当時の建物が多く残る町が点在しています。世界遺産の登録名称としては「ウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール」。3つの町が対象です。
その3つの町のうち1つがシンゲッティ(Chinguetti)。特にシンゲッティには古い図書館があると聞いて、それ目当てでやって来ました。
さて、前回アイアントレインでシンゲッティに到着した所から。まずウェルカムティーを頂きました。
宿のオーナーはアブドゥと言って、日本人好き。
アブドゥは誰かに良くない口コミを書かれたのもなんとなく把握していたようで、一生懸命改善したようです。「ホットシャワーもWi-Fiも用意した!周囲の宿はどんどん値上げしてるけど、うちは2,000ウギアから変えてない!」との事。改善しようとするホスピタリティが素晴らしいです。
シンゲッティはレストランが無いって聞いていたのですが、アブドゥが1,000ウギア(≒303円)で昼飯も用意してくれると言うので頼む事に。
アブドゥ「ちょっと待って、モスクに行って放送してこないといけないから!」
ぼく「それってもしかしてアザーン?」
アブドゥ「そう、アザーン!」
アザーンはイスラム教の日に5回のお祈りの時間に、教徒にお祈りを呼びかける放送の事です。アザーンは録音放送は禁止されていて生の声じゃないとダメって聞いた事がありますが、実際にアザーンをやる人には初めて会いました。ちょっと感動です。
でも、この後の夕方のアザーンや、翌日のアザーンには行ってなかったようなので、もしかすると田舎のアザーンは当番制なのかもしれません。
アブドゥが戻って来て昼飯を用意してくれました。
元々、昨日から宿泊していたアイルランド人が昼飯を頼んでいたようです。
米に野菜のトマト煮込みをかけた感じ。
シンプルだけどうんまい(*´ω`)b
オクラやパプリカが入ってて、栄養的にもおいしい感じ。肉は少な目だけども。
どうやら、アイルランド人がアブドゥのガイドで16時から図書館に行く約束をしているらしい。旅行者によっては、シンゲッティではいつ行っても図書館閉まっていて見れなかったと言う話もあって心配していたので、これはありがたい。遠慮なくご一緒する事に。
16時まで時間があったので、心行くまでホットシャワーを浴びました。マジですぐにホットなお湯が出て来て、すごく幸せでした。
ただし、Wi-Fiは一向に繋がらない・・・。アブドゥいわく、「昼はダメだけど、夜はちょっとマシ」らしい。逆はよくあるけど、なんだその環境・・・(; ̄ω ̄)
まぁ、今日はWi-Fiよりホットシャワーが欲しかったので良いのです。
寝室はこんな感じ。ベッドじゃなくて、コンクリの台の上にマットレスが敷いてあります。床はゴザ。
実は翌日撮った写真なので、寝袋とか私物が散乱しています。
少し休憩して、16時にアブドゥとアイルランド人と一緒に外出。
空が眩しくて高い!!
旧市街地に入って行きます。
崩れている建物も多いです。
ちょっと読みづらいんですが、写真中央やや左にある文字が書かれた石板は、その家の人がよそへ移住する際に、名前を書いて家の中に残していく物なんだそうです。で、無人になった家が崩れて、中に置いてあった石板がこうやって表に出ていると言う事。
なんか松尾芭蕉の出発のくだりを思い出しました。確か旅に出る時に句を詠んで庵にかけて行きましたよねあの人。
高い所から旧市街地を見下ろす。
半分遺跡、半分住宅と言う雰囲気が独特です。
図書館は、60年近く前からそこに住んでると言うおじいさんが説明してくれました。まずは昔の生活用品の解説。
おじいさんがハサニヤ(モーリタニアの言葉)でしゃべるのを、アブドゥが英語で通訳してくれます。
おもしろかったのが大きなお椀の説明。ただのお椀かと思ったら、女性が牛乳を大量に飲む為のお椀だったらしいです。
昔はモーリタニアでは「太った女性がいる家は良い家庭だ」「太っているほど美しい」とされていて、女の子は8歳を過ぎると毎日牛乳を8リットル飲まされたんだとか。8リットルってやべぇな。水でも無理だし、酒飲みでもそんなに酒飲まんだろ。
でも今は「太いほど良い」って感覚は無くなったらしい。「ハンバーガーやコーラで、誰でも簡単に太れるからね!」との事。今でもけっこうなガタイの女性は多い気がするけどw
で、待ちに待った図書室へ。
もっとこう、古文書的なのがずらっと並んでいる風景を想像していたのですが、よく会社で見かけるような文書保管箱で、若干がっかりしましたw
図書室にはカギがかかってたんですが、このカギがまた古風でスゴイ。
このパスタをすくえそうな棒がカギ。木の閂の側面に差すと閂が外れるって言う。こんなの初めて見ました。
図書室では昔の筆記用具の説明。
紙が豊富に無い頃は、学校では木に水で文字を書いていたという話。で、その書いた文字を洗い流した水を飲むと頭が良くなるとされてたそうです。
ついに出てきました古い書物。
それぞれ300から800年前の物で、どれも当時栄えたシンゲッティで書かれた物らしい。宇宙についての記述もあるとか。
これは「昔のチャット」って説明でした。
交換日記的な物と思えば良いのかな?いつの時代もこう言うのが好きなんだなぁ。
いろいろガイドしてもらって、30分くらいで1,000ウギア(≒303円)でした。おもしろかったし、これは価値あるなぁ。
帰りに、アブドゥの友達と言う土産物屋に立ち寄ってお茶。
てっきり、よくある土産物屋のPRでいろいろ勧められるのかと思えば、本当にアブドゥと土産物屋が雑談して、その間にお茶を飲んだだけでした。
「モーリタニア人のお茶は3杯飲むんだ」と言って、3杯頂きました。飲むごとに砂糖の量が増えて行ってる気がしました。最後の1杯はめちゃくちゃ甘かった(;^ω^)
帰りに宿の近くの商店で明日の朝飯を購入。
ヌアディブではまだ紙袋に入れてもらえましたが、そんなものは無く、パンを素手でぶら下げて帰りました。
宿に戻って、「あれ、Wi-Fiの電波完全に消えたなー」と思いつつも、どうせほとんど使えなかったしまぁいいやと思っていると、外出していたアブドゥが「ごめんごめん忘れてた!」と言いながら戻って来て、これを置いて行きました。
モバイルWi-Fiルータ(; ̄ω ̄)そ
Wi-Fi用意したってそういう事だったのね・・・。道理で電波の状況がコロコロ変わると思ってました。アブドゥが敷地内を移動するたびに変わってたんですね。
ルーターが戻って来てもやっぱりほとんど繋がらず、辛うじて稀にツイッターの読み書きができる程度で、Webページもまともに開きませんが、アブドゥの涙ぐましい努力は嫌いじゃないです。むしろ応援したい。
ボクの部屋のドア前に、なんかハリネズミみたいなタワシが落ちてるなーと言うのは昼から気付いてたんですが、
マジでハリネズミでした。つつくとめんどくさそうにむにむに動きますが、起きようとはしません。たまに嫌そうに顔を出します。アブドゥによると、夜になると動き回るらしいです。ハリネズミの放し飼いなのか、それとも勝手に住み着いてるのか、どっちにせよびっくりです。
続けて、翌日の話。朝起きて、軽く筋トレして、朝飯。
実は、昨夜アブドゥが晩飯の余りを部屋に持って来てくれて、断ると「朝食べれば良いから!」と言って置いて行ってくれたのです。
スープはどろっと濃厚な、噛めるくらいのスープで、冷えても十分おいしく食べられました。こういう冷製スープあるよねー。
おいしかったのがパンで、ぎっしりもちもちしていてベーグルみたいなパンでした。すごく好み。
さらにおいしかったのがこちら。
クレープみたいなパンと、肉無し肉じゃが。
これも冷えてるのにうまい!特に肉無し肉じゃが。あっさり薄味で安心する。タマネギの甘みが良い。
ふと見ると、昨日のハリネズミはいなくなっていました。ここに戻って来るとは限らないのか・・・。起きないからって昨日むにむにつつき過ぎたかなぁ(´・ω・`)ショボン
今日は午前中散歩しようと思っていたんですが朝食を食べてる間に雨が降り始めました。けっこうしっかり本降りだし、全然止みそうもありません。
仕方ないので、部屋に置いてあった(多分客が置いて行った)スペイン語の本でも読んでみる事に。
・・・・・。
1時間でギブアップしました≡\(‘ω’)/フォーウ
ネットが繋がればまだしも、オフラインのグーグル翻訳だけで読むのはちと限界がありました・・・。オフラインだと、単語調べても1つしか意味出て来ない・・・。
ヒマそうにしていたので、アブドゥがお茶に誘ってくれたりとかしました。あと情報ノートを2007年のから読んだり、書いたり、アブドゥに頼まれて英語と日本語の料金表書いたり。とにかくのんびり過ごしました。ネットが普及してなかった時代のヒマのつぶし方みたいだなぁと、なんだか懐かしかったです。
宿で用意してもらった昼飯はクスクス。1,000ウギア(≒303円)
また今まで見た事が無かったタイプのクスクスです。炊き込みご飯みたいな。味はすげーおいしい!けど具が塩漬けオリーブ3粒くらいと、すり身レベルで細かい魚が少し紛れていた程度で、ちょっと寂しかったです。
昼15時を過ぎると雨が上がって来たので外出。昨日も行きましたが、世界遺産の旧市街地へGOです。
しかし・・・曇りだと物寂しいだけで、まったく色褪せて見えますね・・・(´・ω・`)
旧市街地は廃墟が多くて、たまに人が住んでる感じです。
人間よりヤギが多いんじゃないかなぁ。至る所からヤギの声ばっかりします。昨日のうちに図書館行ったり、少し町歩きしておいて良かった。
1時間半ほどうろうろして帰りかけていた頃に、ようやく少し晴れました。
晴れると俄然やる気でます٩( ‘ω’ )و
世界遺産の町ですが、どんどん建物は崩れるし砂に埋もれていくしで、数十年後には無くなってしまいそうな気配です。
建物の扉なんかを見ると、どうも昔の地面は今より1~2メートルは低かったっぽいですね・・・。
元は家だったけど、砂で埋まって歩けるようになっていたりします。
シンゲッティの町は、ちょっと強い敵キャラと出会ってしまいそうなダンジョンみたいな雰囲気でした。
日暮れ頃には、大勢の子供がサッカーを始めていました。
年代別に違うコートでやっていますが、素人目に見ても中学生のレベルがすげぇ高い。見てて飽きません。
日中は曇りでしたが、日暮れは綺麗でした。
夜は、アブドゥに誘われて近くの砂丘でお茶しました。
月が明るすぎたので、星はあきらめて、
長時間露光で砂漠の風景をなんとか撮影できました。
肉眼じゃこんなに見えないので、まったく仕上がりがわからないまま撮影していましたが、なんとか見れるのが数枚撮れました。
さて、明日はシンゲッティを出てまたアタール経由で、首都ヌアクショットに向かいます!では今回はこれにて(=’ω’)ノ
コメント
(´・ω・`)治安的には不安を感じることはあるの?
アブドゥすげえやん
ハリネズミの写真もっとおくれー
>>ログボさん
シンゲッティはのどかな田舎町って感じですね~。各家にもあんまりカギがかかっていなくて、「ようよう!」って感じで隣近所の人が、勝手に庭や家に上がり込んだりしているくらいですw
通り過ぎただけのアタール、ヌアディブ、この後行ったヌアクショットの人混みは、いちいちジャパニーズが注目されて面倒なのと、スリには注意しないといけない感じでしたが、それ以上の犯罪が起きそうな雰囲気は感じませんでした。
>>にみくともさん
アブドゥ大活躍ですw
ハリネズミはつつき過ぎたせいか、この後会う事はありませんでした(;ω;)キラワレタ