パミール高原2日目!カラクール湖でヒッチハイクは難しいぞ!(2017年9月28日)

サローム!

今回はパミール高原のカラクール湖からちょびっとだけ移動しました!

なーんでちょびっとしか移動できてないかは読み進めて行って下さいませ・・・(;-ω-)

 

昨夜は22時くらいに寝たのですが、最初寒くて寝られず。たいして温度が低いわけじゃなかったんですが・・・。おかしいなーおかしいなーと思いながらうつらうつらし、0時頃に目が覚めると今度はひどい頭痛

高山病、一番悪化しやすいのは、寝ている時だと言われています。ただでさえ酸素が薄いのに、寝てしまうと呼吸が浅くなってしまうからだそうです。

知ってはいても寝ないわけには行かないのでできるだけ遅めに寝てはみましたが、やっぱり来ちゃったか~と言う感じです。朝にはめっちゃ酷くなってるんじゃないだろうかと恐れ戦きながら、3時間くらい頭痛で七転八倒しました。

幸いなことに午前3時過ぎると頭痛がすっと和らいで、6時過ぎまで熟睡できました。

 

朝だーーー!

やや頭が重いですが、頭痛と言うほどでもありません。夜中3時間くらいの間で高所適応したと信じたいです。

気温は朝の方が低く0.8℃(プロトレックによる)だったのに、起きた時はうっすら汗ばんでいました。夜寒かったのはなんだったんだろう。あれですかね、半年も常夏の環境にいたから体温の上げ方を忘れてたんですかね。

まぁ良かった良かったって事で、袋ラーメンを作るべくお湯を沸かそうとすると・・・

ライターが点かないーーーー。・゜(ノД`)゜・。

持ってるライター2つとも点かないんですけど!?高度3,900mはライターも点かないのか!?

あと着火するものとしては、会社の同期からプレゼントされたスタイリッシュ火打石があるんですが

以前いろいろ試した結果、このスタイリッシュ火打石はかなり着火しやすい状況じゃないと点火できない事が判明しています。固体燃料は非常に着火しにくいし、先日アルコールバーナーで試した所、こちらも点火できませんでした。ガスバーナーとかなら数回トライすれば行けるんですが、今はガス燃料を持っていません。

・・・・・

閃いたーーー(・∀・)ーーー

周囲に落ちているふわふわした枯草を集めて来て、先日の使い残しの消毒用アルコールで枯草をひたひたにする。そこに火打石で点火!

点いたーヾ(*´∀`)ノ”

白い丸いのは、即座に放り込んだ固形燃料です。

早速湯を沸かして袋ラーメンを作ります。

でーきたーヾ(*´∀`)ノ”

寒い中でのラーメンはうまかったです。今日は同期のおかげでラーメンを食べる事ができました(・人・)

 

朝になってようやく見えたカラクール湖。

夜中、やたら動物の気配がするなと思ったら、朝起きたら周囲は牛だらけでした。

明るくなってくると、周囲の民家からも一気に煙が上がり始めました。

こんなに高い場所(3,900m)で生活する人がこんなにたくさんいるんだなぁ・・・

 

テントたたむ時に気付いたんですが、めちゃくちゃ酸素薄い。当たり前っちゃ当たり前ですけど。テント片づけるだけで息が上がってツラくなってくるので、途中で2回休憩しました。運動どころか日常の動作のレベルでもツラいとは・・・高所おそるべし。

さて、やたら時間をかけてテントをたたんで、今日はヒッチハイクだぜ!と道に出て来て待つ事に。

全然人気無いけど、まぁ2,3時間も待ってればヒットするやろ!と思ってたのが甘かった

ボクが行きたい方向の車は1時間に1台通るか通らないかで、どの車も既に人が満載。停まってもらっても断られると言う始末でした。

しかも、日差しは割と強いんですが、風もかなり強くて冷たく、道端で待っているとガタガタ震えてきます。仕方なく、良い感じに風を遮る角度の塀の陰で待つ事にしました。

この塀、実はこの町の学校の塀だったらしく、休み時間になると子供が周囲を走り回ります。

標高3,900mで・・・追いかけっこしてバレーボールしてる・・・(((|||゜Д゜)))

撮ってくれ!と興味津々で寄って来た女の子。

瞬時にイケてるポーズをとってくれました。

撮られるだけじゃ飽き足らず、カメラを持ちたがったので、しばらく遊ばせてみました。インドでもあったなこの流れw

その距離でボクを撮るんじゃないw

終いにはカメラを欲しがりました。怖い物知らずなやっちゃなw

 

子供と遊んで時間をつぶしても、やっぱり車は通りません。午前11時頃に、地元のカラクールのおっちゃんが話しかけて来て、「ムルガブ(ボクが行きたい方角の町)行きなら2時に出るよ」と教えてくれました。って、まだあと3時間も待つんかい!Σ(゜゜)

出るのは確実だったみたいなので、「もし捕まえれんかったら乗る!」と言ってまた道端で待つ事1時間

 

なんだか遠くから青色の巨大な車が、のったりゆさゆさと走って来ました。

この道を通る車は、100%と言って良いほどパジェロやジープなどの四駆だったので、ちょっと違う車に微妙に不安を覚えつつもハウルの動く城並みにゆさゆさ進んでくる車を停めました。(後で気づいたけどこの車も一応四駆だった)

中に乗っていたのは欧米系の男性3人組。歳が判別つきにくいのですが、二十代半ばから三十代半ばって所でしょうか。

「ムルガブに行きたい!」と言うと快くOKしてくれました。時刻は12時過ぎ。ヒッチハイク開始4時間が経過していました。寒風にさらされて芯から寒いし顔はカピカピです。

ボクを拾ってくれたこの人たちはフランス人で、車で旅行してるとの事。半年前にフランスを出発して、ロシアやモンゴルを旅行して、中国を経由してカザフスタン入り、キルギス、タジキスタンと南下してきた所との事でした。

徐々にわかってる来る事になるんですが、3人ともかなり濃いキャラ

運転手は細身で長身の仏頂面。フランス人旅行者ってたいてい「やほーーーーーうぇーーーーい」ってイメージ(偏見)なので、常時仏頂面なのはちょっと珍しいタイプです。でもボクが夜テントに入る時に「寝袋は足りるか?余りがあるから貸せるぞ。夜中寒くなったら車に入って来ても良い」と事細かに心配してくれ、なんか一番気遣ってくれました

2人目は背が低めでややガタイの良い髭面さん。ボクのフランス人旅行者のイメージに近く陽気な人で、一番たくさん話しかけてくれました。かけている洋楽に合わせて歌ってたりしたのもこの人。

3人目は童顔で天然系。エンジニアらしいんですが、どうも電子機器との相性が悪そうで、仕事で大事な時にパソコンのHDDがクラッシュしたり、趣味でやってるカメラを何台も水没や落下で壊したり。そんな彼が今使っているカメラがPENTAXのK-S2でした!ボクのカメラもPENTAXと知ってめちゃ喜んでいました。「PENTAXはタフで良いね!」と痛くお気に入りのご様子。彼のPENTAXが長生きする事を祈るばかりです。

よくこんなバラバラなタイプの3人が一緒に旅行してるなぁと感心するほど。そんな感じで、マンガか映画にでも出て来そうなくらいキャラの立ったフランス人3人組に拾われて、ようやくムルガブへ向かったのでした。

車はゆったりのさのさ進んでいますが、まぁムルガブまで130kmくらいなので、4,5時間あれば着くやろ!と言う感じで楽観していたのですが、これがまた予想以上にのんびりした御一行でしたw

河を見つけると「昨日の洗い物しないと!」と言って食器を洗い始め、ついでに昨日の残り物のパスタを片づけるべく昼飯タイムに突入。パスタの入っていた鍋もしっかりここで洗います。

更に、途中会話していて「山好き」とは聞いていたのですが、唐突に「この山登れそう!登りたい!」と言って道端に車を停め、登り始めたりし出しました。

ボクももちろん付いて行こうとしたんですが、現在地標高4,700m。朝3,900mでテント片付けるのにすら苦労したのに、山なんか登れるわけもありません。半分ほど登ったところで「これ息止めて山登ってるようなもんやで」となって諦めました。3人はさくさく登って行ったので、多分かなり高地慣れしてるんだと思います。

途中まででしたが、やっぱり高い所からの景色は一味違いました。

そんなわけで、ひとりで車の近くでお留守番。

ちなみにこの道、車より自転車乗りの方が多いです。ヒッチハイクの時から何台も通って行くのを見かけました。欧米人に人気のサイクリングコースみたいです。

この高地で、前後輪に荷物積んで峠越えとか、自分が荷物積んでのチャリ旅行をよくするだけにちょっと想像を絶します。世の中にはすごい人がたくさんいるもんだなぁ・・・

 

景色はずーとこんな感じです。

雄大過ぎるずぇ・・・

山から3人が降りて来て再出発した時点で、時刻は16時。そしてムルガブまでは70km。4時間かけて60kmしか進んでいない計算です。時速15kmってチャリンコ並みかw

まぁ停まる事が多いってのもあるんですが、速度計見ているとそもそも車の速度が20km/h超える事が滅多にないんですよ。どうも仕様上、20km/h超えないと針が0を指して動かないみたいなんですが、大体常に0km/hを指しています

この車、燃料や水をかなりの量積んでいて、さらに各々のキャンプセットや趣味の道具なんかも積んでるので、えげつなく重いみたいなんですね。で、かなりボロイ車なので、「旅行に出てから半年の間にサスが7回も壊れたよHAHAHA!」だそうで、パミールハイウェイとは名ばかりのボコボコの道はかなり慎重に走らんといかんらしいです。

まぁこんな所で8回目の故障起こされても困りますからね(;^ω^)

 

で、山から下りて来た彼ら、「今日ムルガブには着かないわ!もし良ければ今日はキャンプ参加しない?」と誘ってくれました。

ここでヒッチハイクし直す手もありますが、せっかく乗せてくれたのに「いやそれなら降りるわ」じゃちょっとノリが悪すぎるなと思ったので、今日はムルガブ行きをあきらめて、一緒にキャンプさせてもらう事にしましたw

本音を言うなら、今日は金払ってでも暖かい所で熟睡したかったですが仕方ないです。「乗り掛かった舟」「毒を食らわば皿まで」はボクの座右の銘でです。こうなったらとことんフランス人まったり道中に付き合うぜ!

何より、この時速20km以下の速度感で、音楽かけて歌いながらゆさゆさ進む旅行って良いなぁと思いました。今まであまり車の旅に心惹かれた事が無かったのですが、こういうスピード感なら良いかもなぁと思いました。

まぁウズベキスタンビザの期限が迫っているボクは、ムルガブまでしか付き合いませんがw

 

のんびり上等!と腹をくくったところで、16時半には野営準備をし出しました。予想以上にはえーよΣ(‘ω’)

で、この野営地標高4,300mあるんですけどw

いや、あなたがたは高地慣れしてるから気にならないかもしれないけどね、高地入り2日目の人間がいきなり4,000m以上で野営したいと思いますか!?高山に挑む登山家だって、3,000m台にしばらく滞在して慣らしたりするじゃないですか!

昨夜の3,900mで既に温度的にも頭痛的にもツラかったのに、今日はちゃんと夜が越せるんだろうか・・・と心配しつつ、「良い場所だね!」なんて言ってる横からネガティブな事を言い出せないまま、ここで野営する事になりました(›´ω`‹ )

晩御飯は作ってもらえました。炊いた米に、トマト風味の野菜スープをぶっかけた物です。

スープの味付けはソイソース(醤油)でした。「ソイソースうまいよね!中国ですっかり気に入っちゃった。日本人も使うだろ?」と言われました。まさかフランス人に醤油味の料理を振る舞ってもらえるとは思いませんでした(;´∀`)

そう言えば野菜を切っている時に「チリは大丈夫?」と赤唐辛子を切りながら聞かれたので、「うん好きだよ(そんなに好きじゃないけど切ってる時に言えない)」と答えると、「チリは高山病に効くから良いんだよ!」と言っていました。なにそれ初耳なんですけどw

でもこんなに高地に強い人が言うと、なんだか妙に信憑性が増します。高山病に悩んでいる人はスポーツドリンクにでもチリパウダーを混ぜて飲んでみてはいかがでしょう

標高が高いので、米はびちゃっとしていたし、野菜スープの野菜は生煮えでしたが、たっぷり野菜を食べれてチリで身体も温まってほんわかしました。上げ膳据え膳で申し訳ない(;´Д`)

ちなみに外にテーブルは出したものの、寒かったので全員車内で食べましたw

しかし・・・まだタジキスタンに入ってからホーログまでの道の1/4くらいしか進んでないんですが、ボクは予定通りにホーログへ着くんだろか・・・w

2日目夜

と言う事で、2日目にして予想もしなかった状況になりつつありますが、今回はこれにて(=’ω’)ノ

コメント

  1. baum より:

    写真からは気温や風が見えないので何とコメントしていいか?寒そうだし、頭痛そう(>人<;)だけど…ガンバレ~❗️ナンクルナイサー‼️

  2. y.kujime より:

    景色一変しましたね、空気薄いのはつらいですね、見守るしかありません。

  3. ログボ より:

    北海道にすんでたとき衣服とか買いにいくのに隣町まで15キロくらいあるんだけど、
    自転車で走ってた時はちょっとそんな感じの風景だった気がする。
    でも、そっちもっと距離あるよね?(´・ω・`)

    なんというか北海道は旅行には良いけど住むにはもうお腹いっぱいな感じです。

  4. wolt より:

    >>baumさん
    気温と風が見える写真は難しいっすね・・・木もないし^^;
    引き続きがんばりますぜー

    >>y.kujimeさん
    空気のありがたみを感じました(;´∀`)
    引き続きお見守りくださいませ

    >>ログボさん
    北海道は北海道で大変そうですね~
    パミールは、地図上のカラクールとムルガブ間は約130km、ムルガブとアリーチャ間は約110km、車道を走っている限り集落らしきものは見えませんでしたw
    たまーに「あれ使ってるの?」って感じの家が2,3軒建っていたりはしました。